ski経営サポートオフィスの社労士コラム

最高裁が「マタハラ」を巡る初の判断

2014.10.25

妊娠降格、明確な同意必要 均等法規定で初判断/女性敗訴破棄、差し戻し・最高裁

 広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が、妊娠を理由に降格されたのは男女雇用機会均等法に反するとして、慰謝料などを求めた訴訟の上告審判決が23日、最高裁第1小法廷であった。

 桜井龍子裁判長は、妊娠や出産を理由とした降格について、「自由な意思に基づく明確な同意、または業務上必要で女性労働者の仕事の充実という同法の目的に反しない特別な事情がなければ違法」との初判断を示した。

 女性は妊娠を機に負担の軽い業務への転換を希望したところ、副主任の役職を外された。女性が均等法違反を主張したのに対し、病院側は「役職を外した措置は合理的な裁量権の範囲内で、女性の同意も得ていた」と反論していた。

  第1小法廷は判決で、降格について「管理職の地位と手当を失った上、副主任への復帰が予定されておらず、女性の意向に反していた」と指摘。「復帰できるかなどについて説明がなく、女性は渋々ながら受け入れたにすぎない」として、自由な意思に基づく同意とは言えないと結論付けた。

(時事通信)

 男女雇用機会均等法第9条3項

 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和22年法律第49号)第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

 男女雇用機会均等法はこのように妊娠・出産を理由に、職場で女性に不利益な処遇をすることを禁じていますが 、最高裁がこのような判決を示したことで「マタハラ」への関心が高まりそうです。

 女性の職場への参画がなければ立ちいかなくなってきている今の世の中では、当然と言えば当然の判決とも思えます。

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