ski経営サポートオフィスの社労士コラム

会議が上手くいかない理由②

2012.11.17

前回、集団思考のダークサイドにはまっていないか?というお話しでしたが、今回はその対処法です。

 

ここで復習ですが、集団思考のダークサイドとは、

①社会的手抜き・・・私一人ぐらい参加しなくても大丈夫だろうという気持ち

②感情的対立・・・意見の対立ではなく、好き嫌いで判断してしまう対立。

③声高少数者の影響・・・声の大きな人や目立つ人の意見に決まってしまう現象。

④集団圧力・・・目に見えない集団の圧力で、自分の考えを変え同調してしまう行動。

⑤集団浅慮・・・個人よりも集団になることで、かえって深く考えずに決定されてしまう現象。

でした。それでは少し細かく見ていきましょう。

①社会的手抜き

社会的手抜きとは、メンバーが5名以上になると出てきやすくなる「自分1人ぐらい参加しなくても大丈夫だろう。」という気持です。

特に悪意はないのですが、頭数が多いときや、頭がぼんやりするときなどにも起こることがあります。

社会的手抜きは、1人1人役割がしっかり決まっている場合や少ない人数のときにはあまりおこりません。

ですから、対処法としては、

  • 全員の役割を決める。
  • ロールプレイングをする。
  • 一旦意見を紙に書かせる。
  • ゲーム感覚を会議に取り入れる。

などがあります。

②感情的対立

感情的対立は、白熱した議論になれば起こるもので、これがまったくないと、良い会議とは言えません。むしろ感情的対立にならないようにあえて意見を言わない場合もあります。少々の感情的対立はむしろ必要なものです。

対処法としては、

  • 感情的対立が始まれば休憩を取る。
  • 論点を整理して、意見として前のホワイトボードなどに書く。
  • 対面での会議にしない。

などがあります。

③声高少数者の影響

「声の大きな人の意見」「よく知っている人の意見」だけで決まってしまうということは結構経験があるのではないでしょうか。

対処法としては、

  • 意見を前に書き出す。それを問題解決のためのフレームワークに当てはめる。

のが有効です。

④集団圧力

日本では、和を乱すなどという言葉があるくらい、1人だけ違う意見を言い出しにくい風土があります。なんとなく皆と違う意見を言いだしずらくて同調してしまう。

これにはチェックリストをあらかじめ作成しておくと上手くいく場合があります。

オズボーンのチェックリスト法というものがあります。

ブレーンストーミングを作ったアレックス・F・オズボーンの考え方で、9つのチェック項目があります。

テーマや対象を決めて、次の項目についてそれぞれ意見を出していきます。

  1. 転用・・・新しい使い道はないか、他の使い道はないか
  2. 応用・・・これに似たものはないか、何かのまねはできないか
  3. 変更・・・形を変えたらどうか、意味を変えたらどうか
  4. 拡大・・・何かを加えたらどうか、大きくしたらどうか
  5. 縮小・・・分割したらどうか、小さくしたらどうか
  6. 代用・・・他の材料にしたらどうか、他の人にしたらどうか
  7. 再利用・・・他の順序にしたらどうか、配置を変えたらどうか
  8. 逆転・・・役割を逆にしたらどうか、立場をかえたらどうか
  9. 結合・・・目的やアイデアを結合したらどうか、ブレンドしたらどうか

⑤集団浅慮

集団で考えるとかえって深く考えずに決定されてしまうことですが、団結力の強い組織ほどこの現象に陥りやすくなります。症状としては大きく3つに分かれます。

1.このグループが誤った考えをするはずがない、といった自信過剰

2.グループ以外の意見に耳を貸さない閉鎖性。

3.皆で決めたんだという圧力

対策としては、外部から司会者やアドバイザーを呼ぶというのが有効です。

少し難しい話になりましたが、問題解決のためのフレームワークを学ぶことは会議を円滑に進める上で大いに役立つと思います。

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