ski経営サポートオフィスの社労士コラム

「ブラック企業」の8割で法令違反 厚労省立ち入り調査

2013.12.21

 厚生労働省は17日、若者の使い捨てなどが疑われる「ブラック企業」の調査を9月に実施し、対象の5111事業所のうち82%に当たる4189事業所で労働基準関係法令の違反が見つかったと発表しました。

 法令違反で最も多いのは「違法な時間外労働」の2241事業所で、全体の43.8%。「賃金不払いの残業」(23.9%)、賃金や勤務時間などの「労働条件を明示せず」(19.4%)、「就業規則の変更届け出など怠る」(16.6%)、「賃金台帳の記載漏れなど」(13.3%)の順となっています。業種別では製造業(1222事業所)や小売・卸売などの商業(821事業所)、運輸交通業(491事業所)などの違反が目立っています。

   法令違反の中には以下のようなものが上げられます。

  1. 社員の約7割を係長職以上の「名ばかり管理職」にして残業の割増賃金を支払わなかった事例
  2. 最大11カ月間の賃金を払わなかった事例  
  3. 営業成績などに応じて基本給を減額した事例
  4. 月100時間以上の残業をさせながら、必要な医師の面談などを受けさせていなかったりした事例
  5. 長時間労働等により精神障害を発症したとする労災請求があった事業場で、その後も月80時間を超える時間外労働が認められた事例 
  6. 無料電話相談を契機とする監督指導時に、36協定で定めた上限時間を超え、月100時間を超える時間外労働が行われていた事例
  7. 労働時間が適正に把握できておらず、また、算入すべき手当を算入せずに割増賃金の単価を低く設定していた事例

 ブラック企業の調査を厚労省が行うのは初めで、違反があった企業に是正勧告をしており、改善が見られない場合は所管の労働基準監督署が労働基準法違反容疑などで送検、社名を公表する方針です。

 調査対象の5111事業所は、若者の離職率の高さや過去の法令違反、これまでに寄せられた相談などを踏まえて厚労省が選んだものです。  同省は「今後も引き続き監督指導をしっかり行っていく」(労働基準局)とブラック企業の監視を続ける考えだということです。 

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