ski経営サポートオフィスの社労士コラム
常勤介護職員の7割以上が給料に不満
日本介護クラフトユニオンが「2014年処遇改善調査」を発表しました。
この組織は、訪問介護ヘルパーや施設介護員など、介護業界で働く労働者を職業横断的に組織するユニオンです。
調査は、2014年9月時点で組合員6,500人を対象に実施し、月給制(常勤職員)1,983人(回収率59.6%)、および時給制(非常勤職員)1,359人(同41.8%)から得た回答を集計したものです。
月平均給料
月給制の8月分は平均22万4,542円、時給制は同13万3,585円で、同じ年の3月分と比べてそれぞれ1.3%と3.5%増加しました。
ただ、増加の原因は、「人手不足によって残業が増加したことによるものと考えられる」としています。
介護職員処遇改善加算
また、「介護職員処遇改善加算」を事業所が申請している割合は、月給制で64.1%、時給制で44.5%。申請している事業所の内賃金にどのように反映しているかについては、
- 「手当として入っている」 月給制35.3%、時給制42.1%。
- 「一時金として入っている」 月給制26.1%、時給制25.1%
- 「基本給に入っている」 月給制6.2%、時給制9.1%
- 「支払われていない」 月給制13.0%、時給制5.3%
- 「分からない」 月給制12.3%、時給制10.4%
申請している事業所の中で、月給制の1/4以上が処遇改善加算について恩恵を受けていなか受けているのに気づいていないことになります。
平均年収
2013年の年収は、月給制で平均304.7万円、時給制で平均156.9万円となっており、月給制の73.9%、時給制の58.7%が「不満」としています。
人材不足
団塊の世代が75歳以上になる2025年までには100万人の介護職員を増やす必要があるといわれています。介護だけでなく、建設、小売、飲食、物流、運輸、ITなど、どの業界も人手不足の状態が続いており人材の奪い合いは今後ますます激化すると見られています。
介護業界では外国人労働者の導入も検討されていますが、当面の対策としては時給アップなどの処遇改善によるしかないのが現状のようです。特に処遇改善加算を職員に支給していない事業所は早急な改善が必要でしょう。