ski経営サポートオフィスの社労士コラム
介護事業の問題点
2016.08.20
8月5日、公益財団法人介護労働安定センターから「平成27年度介護労働実態調査」の結果が発表されました。
この実態調査は、
- 従業金の過不足
- 介護サービスを運営する上での問題点
- 賃金
- 過去3年間に介護を理由に退職した従業員の有無
- 採用率・離職率
- 仕事を選んだ理由
- 労働条件等の不満
- 仕事・勤務先に関する希望
以上の大きく8つの質問から成っています。
1.の「従業員の過不足」については、不足とした事業所が61.3%。
不足している理由については、
- 「採用が困難である」(70.8 %)
- 「事業を拡大したいが人材確保できない」(20.3 %)
- 「離職率が高い」(15.8 %)
となっています。
採用が困難な原因は、
- 「賃金が低い」(57.4%)
- 「身体的・精神的に仕事がきつい」(48.3%)
でした。
2.の「介護サービスを運営する上での問題点」についての回答は以下の通りとなっています。
- 「今の介護報酬では人材確保・定着のための十分な賃金を払えない」(53.8%)
- 「良質な人材の確保が難しい」(53.6%)
- 「経営(収支)が苦しく、労働条件や労働環境の改善をしたくても出来ない」(32.6%)
- 「指定介護サービス提供に関する書類作成が煩雑で、時間に追われている」(28.0%)
- 「新規利用者の確保が難しい」(26.9%)
- 「教育・研修の時間が十分取れない」(23.4%)
- 「介護従事者の介護業務に関する知識や技術が不足している」(9.9%)
6.の「仕事を選んだ理由」についての回答は以下の通りとなっています。
- 「働きがいのある仕事だと思ったから」(52.2%)
- 「資格・技能が活かせるから」(35.8%)
- 「今後もニーズが高まる仕事だから」(34.1%)
- 「人や社会の役に立ちたいから」(31.8%)
- 「お年寄りが好きだから」(24.1%)
- 「介護の知識や技能が身につくから」(23.3%)
- 「自分や家族の都合のよい時間(日)に働けるから」(16.1%)
- 「身近な人の介護の経験から」(16.1%)
- 「生きがい・社会参加のため」(14.7%)
- 「他によい仕事がないため」(10.0%)
7.の「労働条件の不満」についての回答は、以下のとおりとなっています。
- 「人手が足りない」(50.9%)
- 「仕事の内容の割に賃金が低い」(42.3%)
- 「有給休暇が取りにくい」(34.6%)
- 「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」(30.4%)
- 「業務に対する社会的評価が低い」(29.4%)
- 「精神的にきつい」(27.9%)
- 「休暇が取りにくい」(26.4%)
- 「夜間や深夜時間帯に何か起きるのではないかと不安がある」(17.7%)
- 「健康面(感染症・怪我)の不安がある(14.3%)
- 「労働時間が不規則である」(12.5%)
- 「労働時間が長い」(11.0%)
- 「福祉機器の不足、機器操作の不慣れ、施設の構造に不安がある」(10.5%)
すぐに改善するのは難しいと思いますが、アンケートの結果を参考にして、自事業所のアピールできるポイントを少しでも増やして採用難に打ち勝っていっていただきたいと思います。
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