ski経営サポートオフィスの社労士コラム
確定拠出年金(DC)①
来年1月からの法改正で話題沸騰
法改正を受け、今、確定拠出年金(DC)の関心が高まっています。
節税しながら効率よく老後資金を確保できるお得なこの制度を知らないのは大きな損失です。
数回に分けて確定拠出年金の内容を見ていきたいと思います。
先行き不安な公的年金制度
厚生年金や国民年金などの公的年金制度。将来いったいいくらもらえるのでしょうか?
2016年時点での国民年金は1人月6万5千円ほど。厚生年金は年収によりますが、平均で月約9万円。
夫婦共働きで月31万円、妻が専業主婦で国民年金だけだと22万円。自営業者で国民年金だけの場合は月に13万円ほどになります。
一方、総務省の家計調査では高齢者夫婦の1か月の支出は約28万円。専業主婦世帯で6万円、自営業だと15万円不足していることになります。
この差をいかに埋めるかですが、今の年金制度は、このままでは10年で破たんするともいわれており、本当に将来年金をもらえるのかと疑問に思っている方も多いと思います。ますます自己防衛の必要性が高まっているといえます。
確定拠出年金制度改正
2017年1月から、個人型確定拠出年金の対象者が大幅に拡充されることになりました。今までは自営業者、企業年金のない会社員が加入の対象でしたが、新たに企業年金のある会社員、公務員、主婦などほとんど全ての現役世代の加入が可能となります。
確定拠出年金のメリット
確定拠出年金には様々なメリットがあります。
- 毎月積み立てる掛け金の全額が非課税。
- 掛け金の運用の儲けが非課税。
- 将来受け取る際にも退職所得控除や公的年金控除の対象となり優遇措置が受けられる。
- 投信の販売手数料0円。信託報酬も一般より安い場合がほとんど。
- 会社が倒産しても受け取る額は減らない。
- 転職しても全額維持できる。
- 運用商品の切り替えが何度でもできる。
- 社会保険料が下がる。
などのメリットがあり、使わないのは損と言ってもいいくらいです。
あまり一般的でない理由
メリットがいっぱいなのに、なぜあまり一般的でないのでしょうか?2016年時点での加入率は加入可能な人の0.7%です。有利さが知られていないせいですが、最大の理由は金融機関があまりもうからないからです。販売手数料が0円の確定拠出年金よりも投信を売買してもらう方が手数料が入ります。しかし、法改正を受け、積極的に取り組む金融機関も出始めています。
メリットがいっぱいの確定拠出年金ですが、あまりよく知られていないため、これから内容について詳しく説明していこうと思います。
次回に続く・・・