ski経営サポートオフィスの社労士コラム
確定拠出年金(DC)②
加入できる人
今回は税制の優遇制度を詳しく見ていきます。
個人型DCの対象者
まず、誰が加入できるのかですが、個人型確定拠出年金対象となるのは以下の方です。
- 自営業者やその妻、学生、無職
- 企業年金のない会社員
- 企業年金はあるが掛け金が一定額以下の会社員
- 公務員
- 会社員や公務員の妻で専業主婦
3,4,5番については2017年から対象となり、現役世代のほぼ全員が加入できるようになりました。
企業型確定拠出年金を導入すればその会社で加入できるようになります。
税金はどれだけ安くなる?
確定拠出年金の1番のメリットは、掛け金の全額が所得控除となり、税金の対象から差し引かれることです。税率×掛け金の額だけ所得税・住民税が安くなるので、税率の高い方ほど節税になります。
税率が30%の自営業者で、年間掛け金を最大の81万6千円積み立てた場合、年で244,800円の節税となります。
最低掛け金は、月5千円からで、掛け金の額は年に1回変更することができます。
途中で亡くなった場合は、その時点での資産が遺族に支払われます。
いつでも受け取れる?
原則60歳まで受け取ることができません。60歳で受け取るには、60歳までの積み立て期間が10年以上であることが条件です。
積み立て期間が10年未満の場合は、受けとることができる年齢が1年ずつ伸びていき、2年未満の場合、受け取ることができるのは65歳からになります。
運用は、70歳まですることができます。ただし、掛け金は60歳までしか掛けることができません。
金融機関の選択がポイント
確定拠出年金の掛け金には口座管理費用がかかります。金融機関によって、この費用にかなりの違いがあります。一番低いところと一番高いところでは約4倍の違いがあります。せっかく節税になっても口座管理費用が高ければ、逆ざやになりかねません。
また金融商品の品揃えにも大きな差があり、金融機関の選択がポイントとなります。この金融機関は運用商品をいったん売却して、変更することも可能です。
金融機関が破たんした場合は、預貯金については他の預貯金と合わせて1千万円まで保護され、投資商品については、破たんによって減額されることはありません。
節税して減額された税金は?
掛け金の控除に関して、所得税は、年末調整か確定申告で還付されることになります。住民税については翌年の税額が減額されます。
受け取りの時の税金は?
一時金で受け取る場合は退職控除、年金方式で受け取る場合は公的年金等控除の対象になります。
退職控除は、加入期間が20年までは年40万円、20年以降は年70万円控除されます。10年加入した場合は、受け取り額が、40万円×10年=400万円までは税金がかからないことになります。
ただし、他にも退職金がある場合は、その退職金と合算された金額となります。
公的年金等控除は、60歳から64歳までは年70万円、65歳からは年120万円までは税金が、かかりません。
ただし、この場合も他に年金がある場合は、その年金と合算した額となります。