ski経営サポートオフィスの社労士コラム

確定拠出年金(DC)③

2017.02.08

企業型確定拠出年金(DC)

選択制

企業型DCに「選択制」という仕組みがあります。企業型のDCは月に最大55,000円まで掛け金を積み立てることができます。会社の全員が掛け金を積み立てるのが通常ですが、選択制では、掛け金をDCとして積み立てるか、積み立てずに給料でそのままもらうか選べぶことができます。

選択制にすれば、役員だけとか従業員でも積み立てしたい人だけが掛け金を積み立てることができます。

選択制では、DCの掛け金として積み立てる分には所得税や社会保険料の対象にななりませんが、給料としてもらう場合は所得税がかかかります。健康保険や厚生年金の保険料の計算の対象にもなります。

掛け金

大企業ではDCの掛け金を会社が負担している場合が多いのですが、中小企業では、給料の中から掛け金を捻出する場合がほとんどです。給料の額を減らしてその差額を掛け金として積み立てる訳です。掛け金分その時の給料の手取りは減りますが、掛け金は将来の年金として積み立てられていきます。税金や社会保険料が減るので、全体で見れば有利な制度です。

掛け金も最低3,000円から1,000円単位で積み立てることができます。金額の変更の時期も会社の規程で1年に1回とか自由に決めることができます。

この掛け金は最大55,000円まで積み立てることがきるので、給料から減額する金額も最大55,000円となります。掛け金は給料天引きではなく、給料支給前の段階で会社の経費として拠出します。

従業員は、積み立てをせずに55,000円分は給料として今まで通りもらうか3,000円から55,000円の範囲で掛け金を積み立てるか選択することができます。掛け金の原資の心配もなく従業員の意思で選択してもらうことができるので、負担を少なくしてDCを会社に導入することができます。積み立てしたくない従業員はいままで通りの給料の額なので、充分な説明があれば、導入に反対する人も少ないでしょう。

デメリット

節税や社会保険料の削減などお得な事ばかりの制度のようですが、デメリットもあります。

  1. 一度積み立てを始めると積み立てを減額することはできても辞めることができません。ただし、育児休業や介護休業などで無給になるような場合、会社の規約に定めることにより掛け金を停止することができます。
  2. 口座管理費用がかかります。金融機関によって金額が違うので、金融機関選びで節税メリットにも大きな違いが出ます。
  3. 掛け金の分、社会保険料の対象となる給料の額が減るので将来もらえる厚生年金の額も減ります。
  4. 60歳まで、もしくは積み立ての期間が10年未満の場合は、10年まで掛け金を引き出すことができません。

以上のようなデメリットがありますが、DCはそれを差し引いても余りあるメリットがあります。充分な説明をすることが大切なので、詳しい方を講師に招いて説明会を実施するのもいいと思います。

将来、公的年金がどうなるのか、そもそももらえるのか?という不安がある中で、大いに活用したい制度です。

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