ski経営サポートオフィスの社労士コラム

外国人雇用に関するブロブ―――――特定技能「介護」について

2021.10.20

昨年からのコロナ禍においても、日本国内の外国人労働者は過去最高人数を記録した、と前回のブログでもお話しました。

人手不足が続く業界では、外国人労働者の活用が積極的に行われています。

 

日本国内の労働力不足を補うために創設された在留資格「特定技能」(→以前のブログ参照)においては、特に「介護」「飲食料品製造業」分野の増加が著しいです。

 

具体的な人数を見てみますと、

「介護」

2020年9月時点で939人 → 2021年6月時点で2703人

 

「飲食料品製造業」

2020年9月時点で5764人 → 2021年6月時点で10450人

 

となっています。

 

「介護」分野は、わずか10か月で3倍近くの人数となっています。

 

今回は、この「特定技能・介護」について、お話しします。

 

上記の増加率からもわかるように、14分野ある特定技能の中でも「介護」は、外国人労働者に人気のある分野となっています。

 

特定技能の在留資格を得るためには、

「特定技能試験(技能・日本語の2種類)」の合格

もしくは、「技能実習を有効に終了」した後に移行するか、

のどちらかとなっています。

 

介護の分野では、大半が試験合格組です。

介護の試験は、比較的に容易だといわれています。

2021年8月の試験の合格率は、技能試験、日本語試験ともに約80%前後となっています。

 

さらに、他の分野と違う点は、3年経過後に日本の国家資格「介護福祉士」資格の試験に挑戦することができ、合格すれば在留資格「介護」に変更することができるところです。

 

在留資格「介護」になれば、在留期間の制限もなく、家族(配偶者・子)の呼び寄せも可能となります

 

労働者側も、家族と日本で暮らすことができて、雇用側も長期雇用が可能となるWIN WINにつながりやすいのです。

 

 

では、具体的に試験の内容をみてみましょう。

 

 

<試験の具体的内容>

「技能試験」と「日本語試験」の両方に合格することが必須です

現在試験を受けられる場所は、①日本国内、②フィリピン、③ネパール、④モンゴル、⑤タイ、です。

 

「技能試験」

技能試験の水準 : 第2号技能実習修了と同等

 ※介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護

を自ら一定程度実践できるレベル

 

実施回数:毎月1回

 

技能試験内容 : 試験時間 60 分、問題数 45 問 母国語、コンピュータ画面上で解答

(学科試験:40 問)

・介護の基本(10 問)

・こころとからだのしくみ(6問)

・コミュニケーション技術(4問)

・生活支援技術(20 問)

 

(実技試験:5問)

・生活支援技術(5問)

※写真等の提示で、正しい介護の手順等についての判別、判断を行わせる試験

 

「日本語試験」

ほかの特定技能分野と同じく「国際交流基金日本語基礎テスト」か「日本語能力試験(JLPT)」N4以上、もしくは介護分野独自の「介護日本語評価試験」の合格

 

実施回数:年2回(7月と12月)

 

介護日本語評価試験の内容 : 試験時間 30 分 問題数 15 問

・介護のことば(5問)、介護の会話・声かけ(5問)、介護の文書(5問)

 

水準 : N4相当・・・ゆっくりと話せば日常会話が理解できる

問題例)漢字の読み書き

___のことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん

いいものを ひとつ えらんで ください。

 

あには バスで 会社に 通って います。

1.むかって  2.かよって  3.わたって  4.もどって

 

 

介護日本語評価試験・・・実際に介護の現場で使用する言葉など

問題例)Which word has the same meaning as _____? Choose the best answer from 1 to 4.

___の ことばと だいたい おなじ いみのものは どれですか。

いちばん いいものを 1・2・3・4から ひとつ えらんで ください。

 

 加藤(かとう)さんは、車椅子(くるまいす)を使(つか)っています。

 

1 食(た)べるために使(つか)う道具(どうぐ)

2 移動(いどう)するために使(つか)う道具(どうぐ)

3 入浴(にゅうよく)するために使(つか)う道具(どうぐ)

4 音(おと)を聞(き)くために使(つか)う道具(どうぐ)

 

 

これらの試験に合格した場合の「結果通知書」は、受験日から10年後まで有効となります。

 

 

基本的な日本語知識と、介護の勉強をした人材ですので、即戦力として、雇用側にもメリットがある制度です。

 

特定技能「介護」では、訪問サービスは行うことができません。

しかし、身体的業務など他の業務は行うことができるため、制限が少なく、幅広い範囲の業務に携わることが可能です。

 

弊社では、無料相談を行っています。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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