ski経営サポートオフィスの社労士コラム
外国人雇用に関するブログ―――――特定技能「介護」の技能試験の具体例
前回のブログで在留資格「特定技能」、中でも特に「介護」分野の増加が著しいというお話をしました。
(→詳しくは前回のブログ参照)
2020年9月時点で939人 → 2021年6月時点で2703人と、10か月で3倍近くの増加です。
特定技能の在留資格を得るためには、
「特定技能試験(技能・日本語の2種類)」の合格、
もしくは、「技能実習を有効に終了」した後に移行するか、です。
また、介護分野に限っては、「介護福祉士養成施設を修了した方」「EPA介護福祉士候補者としての在留期間満了の方」も、技能試験・日本語試験が免除になります。
介護分野では、実際は大半が試験合格組であり、合格率は技能試験、日本語試験ともに約80%前後です。(2021年8月の試験結果)
「技能試験」と「日本語試験」の両方に合格することが必須です
前回のブログでは、日本語テストの具体例についてご紹介したので
今回は、この技能試験の具体的な内容をご紹介します。
<試験の具体的内容>
「技能試験」
母国語にて、行われます。
コンピュータで行い、試験終了後に結果が表示される。
問題の総得点の60%以上で合格となります。結果は5日程度でウェブサイト上にて取得可能。
受験資格は、17歳以上。(インドネシア国籍の方は18歳以上)
受験料は1000円。
技能試験の水準 : 第2号技能実習修了と同等
※介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護
を自ら一定程度実践できるレベル
実施回数:毎月行われます
実施場所:日本国内、海外 詳しくは下記
日本国内・・・全国47都道府県にて。
※例)2021年10月の兵庫県は、神戸三宮4か所、姫路1か所、豊岡1か所にて合計26日程で行われます
海外・・・カンボジア、インドネシア、モンゴル、ネパール、フィリピン、タイ
技能試験内容 : 試験時間 60 分、問題数 45 問
(学科試験:40 問)
・介護の基本(10 問)
・こころとからだのしくみ(6問)
・コミュニケーション技術(4問)
・生活支援技術(20 問)
(実技試験:5問)
・生活支援技術(5問)
※写真等の提示で、正しい介護の手順等についての判別、判断を行わせる試験
問題例・・・※実際のテストでは、母国語に翻訳された問題を選択可能
(介護の基本)より
例題1 自己決定を支援する上で把握すべき内容として、
適切なものを1つ選びなさい。
1 家族の意向
2 介護を必要とする人の希望
3 医師の判断
4 経済状況
正答:2
(こころとからだのしくみ)より
例題2 老化にともなう高齢者のからだの変化に関して、
正しいものを1つ選びなさい。
1 個人差は少ない。
2 低い音は、聞こえにくくなる。
3 暑さ寒さを、感じやすくなる。
4 視野が狭くなる。
正答:4
(生活支援技術)より
例題6 右片麻痺があり、杖を使っている人の移動の
基本的な介護として、適切なものを一つ選びなさい。
1 介護者は右前方に立つ。
2 介護者は右後方に立つ。
3 介護者は左前方に立つ。
4 介護者は左後方に立つ。
正答:2
このように、現場にて必要となる介護の知識がテストで問われます。
各外国語での、学習用テキストや、介護福祉専門用語集(※)は、厚生労働省のホームページ上にて無料で公開されています。
(※)例:居宅サービス=in-home service 在宅介護=in-home care
受験者は、これらを利用して母国語にて、介護の勉強をすることができます。
事前に介護や福祉についての知識を得ることができるのは、雇用側、労働者側ともにメリットがありますね。
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