ski経営サポートオフィスの社労士コラム
業務上・通勤中のケガ等で死亡した場合は
2012.02.01
遺族(補償)給付
- 従業員が業務上・通勤中のケガや病気で死亡した場合、死亡時に、従業員の給与で生計を維持していた遺族に年金が支給されます。
- 支給を受けることができる家族の範囲は、下の表の遺族です。一番順位の高い人が、受給資格者になります。
- 受給権者と、受給権者と生計を同じくする受給資格者の人数によって、給付日数が違います。
- 受給権者が、再婚や死亡などで受給権を失うと、次の順位の受給資格者が受給権者となります。
- 同一の事由で、遺族(補償)給付と遺族厚生年金や国民年金の遺族基礎年金が同時に受けられるときは、労災保険からの支給が減額調整されます。
- 受給権者が複数いる場合は、それぞれ人数で等分した給付額を受け取ります。
- 従業員の死亡の翌日から5年以内に、請求書を労働基準監督署に堤出しなければなりません。
遺族(補償)年金受給資格者、受給権者の順位
順位 | 受給資格者 | 受給資格者になれる条件 |
---|---|---|
1 | 妻 | なし |
1 | 夫 | 60歳以上または障害等級5級以上であること |
2 | 子 | 18歳に達する日以降最初の3月31日までか、または障害等級5級以上であること |
3 | 父母 | 60歳以上または障害等級5級以上であること |
4 | 孫 | 18歳に達する日以降最初の3月31日までか、または障害等級5級以上であること |
5 | 祖父母 | 60歳以上または障害等級5級以上であること |
6 | 兄弟姉妹 | 18歳に達する日以降最初の3月31日までか、または障害等級5級以上であること |
7 | 夫 | 55歳以上60歳未満であること、ただし60歳までは支給停止 |
8 | 父母 | 55歳以上60歳未満であること、ただし60歳までは支給停止 |
9 | 祖父母 | 55歳以上60歳未満であること、ただし60歳までは支給停止 |
10 | 兄弟姉妹 | 55歳以上60歳未満であること、ただし60歳までは支給停止 |
遺族(補償)年金の額
遺族数 | 遺族(補償)年金 |
遺族特別支給金(1回のみ) | 遺族特別年金 |
---|---|---|---|
1人 | 給付基礎日額153日分 | 300万円 | 算定基礎日額153日分 |
1人 | 55歳以上または障害等級5級以上の妻は給付基礎日額の175日分 | 300万円 | 55歳以上または障害等級5級以上の妻は算定基礎日額の175日分 |
2人 | 給付基礎日額201日分 | 300万円 | 算定基礎日額201日分 |
3人 | 給付基礎日額223日分 | 300万円 | 算定基礎日額223日分 |
4人以上 | 給付基礎日額245日分 | 300万円 | 算定基礎日額245日分 |
遺族(補償)一時金
- 従業員の死亡の時、遺族(補償)給付を受けることができる遺族がいない場合や、遺族(補償)年金の受給権者全員が失権し、今までに支払われた年金の合計額が、給付基礎日額の1,000日分に満たないとき、遺族(補償)一時金が支給されます。
- 受給権者の順位は①配偶者、②従業員の死亡時生計を維持されていた子・父母・孫・祖父母③その他の子・父母・孫・祖父母④兄弟姉妹
遺族(補償)一時金の額
遺族(補償)一時金 |
遺族特別支給金(一回のみ) | 遺族特別一時金 | |
---|---|---|---|
死亡時に遺族(補償)年金の受給権者がいないとき | 給付基礎日額の1,000日分 | 300万円 | 算定基礎日額の1,000日分 |
遺族(補償)年金の受給権者が全員失権し、支給された合計額が給付基礎日額1,000日分に満たないとき | 給付基礎日額の1,000日分との差額分 | - | 算定基礎日額の1,000日分との差額分 |
葬祭料
- 従業員が業務上または通勤中のケガや病気で死亡した場合、葬儀を行う人に葬祭料が支給されます。
- 通常は葬儀を行う遺族に支給されます。
- 遺族がいない場合は、葬儀を行った人に支給されます。会社が行った場合は、会社が請求します。
- 遺族(補償)給付を請求する場合は、重複する書類を省略できます。
- 葬祭料には特別支給金はありません。
- 労災保険から葬祭料の支給を受けた場合は、健康保険から埋葬料を受けることができません。
支給額
- 31万5,000円+給付基礎日額の30日分
- この額が給付日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額60分となります。