ski経営サポートオフィスの社労士コラム
人件費削減のために会社が行うことは
2012.06.17
赤字となり、経営が立ちいかなくなり、再建を目指そうとすると、金融機関から経営改善計画の提出を求められることが多くあります。人件費の削減には痛みを伴います。心情的にも苦しいものがあありますが、会社が倒産してしまっては従業員全員が路頭に迷うことになります。それどころか取引先にも波及する可能性もあります。人件費の削減は悪ではなく、会社存続のためには必要不可欠なものです。
人件費削減の準備
人件費を削減するためには、その前段階として次のような事を行う必要があります。
1.中期経営改善計画の策定
3年~5年程度の中期の経営改善計画を策定し、今年度以降の損益の試算をします。目標とする利益を設定して、どの位の人件費を削減しないといけないのか確定させます。
2.役員・役員報酬の削減
非常勤役員や能力のない役員を削減します。役員報酬の削減や役員用の車両があれば売却を検討します。
3.経費の削減
交際費、広告宣伝費、旅費交通費、販売手数料、賃借料、事務経費、厚生費といった経費の削減を行います。外注費・仕入れ値のコスト削減も、業者に対し協力を依頼します。業務の中身をよく吟味し、どこをより多く削るべきか、経費を削減して売り上げが落ちるようなことはないか等をよく検討する必要があります。
4.資産の売却
遊休不動産や不要な不動産の売却、有価証券、ゴルフ会員権の売却、保険の解約等を行います。
人件費を削減するといってもいきなり従業員の給与を削ったりクビにすると社内はパニックになり、仕事どころではなくなります。肝心の売り上げまでダウンしてしまっては、計画そのものが崩れてしまいます。人件費に手を付けるのは、以上のことを行ってから行う最後の手段です。