ski経営サポートオフィスの社労士コラム

整理解雇を行うには

2012.07.22

整理解雇の4要件

整理解雇はあくまで会社側の都合で行う解雇ですので、より厳格な条件が必要とされています。整理解雇を行う場合には、次の4要件を満たしている必要があります。

  1. 企業が非常に厳しい経営危機に陥っていて、人員整理の必要性があること。
  2. 解雇を回避するために相当な措置を行う努力をすること。回避努力をおこなってもなお解雇の必要があること。
  3. 解雇される者の選定基準が客観的で合理的なものであること。
  4. 労働者や労働組合と十分な協議をつくしたこと。

解雇の必要性

まず1.の条件ですが、最近では、「企業の合理的運営上やむを得ない必要性があれば足りる」、「経常利益が赤字となり、整理解雇以外に当面その解消が期待できない場合は、必要な範囲で認められる」といった考えがとられています。

ただ、この条件を緩めた場合他の条件を厳しく見る傾向にあるようです。

解雇の回避努力

解雇は従業員にとって非常に大きな影響を与えます。そのため、経営者が解雇を回避するために可能な限りの努力を求められます。

回避の措置には、「希望退職の募集」、「配置転換」、「出向」、「一時帰休」、「労働時間の短縮」、「残業の廃止」、「経費削減」、「役員報酬のカット」、「新規採用の中止」、「昇給の停止」、「賞与の支給停止」などがあげられます。この中でも特に、希望退職の募集をせずに指名解雇を行った場合は、解雇回避の努力義務を尽くしていないと判断されます。

人選の合理性

解雇を行う場合に、対象者をどうやって選択するか?という問題があります。この場合には合理性や公正さが求められます。

「労働組合に所属している者」や「女性社員だけ」とか反対に「男性社員だけ」というような選択は認められません。

一方で、「会社業務に協力しない者」、「職務怠慢な者」、「技能が低位な者」、「一定年齢以上の者」といった基準は合理性があると認められています。

又、解雇される従業員の再就職の可能性や家族構成など生活の事情を考慮することも合理性があるとされています。

十分な説明

整理解雇を行う場合、経営者は従業員や労働組合に、人員整理の必要性や時期、規模、方法などについて十分な説明を行い、納得を得られるよう努力する義務があるとされています。

この説明を怠ると従業員に不満や不信がつのり、無用の紛争に発展することになりかねませんし、いざ裁判になった場合でも経営者側に不利となります。

十分な説明や協議を行い、手続きをきちんとすることが整理解雇には必要です。

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