ski経営サポートオフィスの社労士コラム
退職時の有給休暇の消化は
2012.03.17
民法により、正社員(期間の定めのない労働契約を結んでいる従業員)は、2週間の予告期間をおけばいつでも労働契約を解約できます。
これより長い期間を就業規則等に定めていても、裁判で長すぎるとされた例もあります。
ですから、法的には、会社は退職届受理後は、2週間しか社員を拘束できないことになります。
残りの期間に有給休暇を取られてしまうと、退職日までその社員が、会社に出てこないという事態が考えられます。
会社は、有給休暇の取得時期を変更する権利を持っていますが、このような退職する社員には、辞めた後で有給休暇を与えることはできませんので、変更もできないことになります。
ですが、業務の引き継ぎをきちんとしてもらわないと、会社としても非常に困ります。
有給休暇の会社による買い上げなどの対策も考えられますが、法的に認められた日数分の有給休暇は与えなければなりません。
そこで、退職金の規定がある会社は、「業務の引き継ぎを誠実と行わない社員に対して、退職金の一部を不支給にする」といった規定を就業規則により定めるという対策が考えられます。
又、引き継ぎに関しては、業務引継報告書を作成し、事細かく取引先や処理案件の内容を記入してもらい、後々の引き継ぎ業務は、これを見ればわかるようにしておきましょう。