ski経営サポートオフィスの社労士コラム

労働分配率とは

2012.08.11

付加価値

付加価値とは、会社が活動することで新たに生み出す価値のことをいいます。実際の計算は複雑ですが、製造業や建築業は売上から原材料や部品の購入費と外注費を差し引いた額、小売りや卸売業は粗利益額と考えればいいと思います。

  1. 製造業・建築業の場合
  2. 売上-(原材料+部品購入費+外注費)
  3. 小売・卸売業の場合
  4. 売上-原価

労働分配率

会社は、この付加価値から人件費などの経費を支払い最終的な利益を得ています。付加価値をどのくらい従業員の人件費として支払ったかを表す比率を労働分配率といいます。

労働分配率=人件費÷付加価値

この労働分配率が、通常は、労働分配率が50%を超えるか下回っているかで人件費が高いか安いか判断しますが、35%程度であることが社員の生産性の高い会社の条件といわれています。よく給料の3倍稼げといわれるのはこのためです。

実際は、財務省の統計によると、ここ数年の全産業の労働分配率の平均は65%前後で推移しているようです。尚、労働分配率は、会社の規模が小さくなるほど高くなっています。

業種別の労働分配率の例をあげておきます。

業 種 労働分配率
食堂・レストラン 55.6%
ラーメン店 52.2%
旅館・ホテル 39.8%
美容室・理容室 59.4%
情報処理サービス 69.6%
訪問介護 71.6%
人材派遣業 82.5%
病院 63.7%
コンビニ 40.2%
アパレル 44.3%

労働分配率が低い方が会社としてはありがたい訳ですが、付加価値が低く、労働分配率が低いとなると社員の賃金も低く会社に対して不満を持ちます。逆に労働分配率が高いと資金繰りが苦しくなります。 まとめますと 業界の平均と比較して

  1. 労働分配率が低く高賃金: 支払い能力に余裕があり、1人当たりの付加価値が高く安定 
  2. 労働分配率が低く低賃金: 支払い能力が高くいが、低賃金の社員が多く不安定
  3. 労働分配率が高く高賃金: 支払い能力が弱く、高い賃金の支払いに無理がある 
  4. 労働分配率が高く低賃金: 支払い能力が苦しく、離職者が出やすい危険な状態 

労働分配率が高いと、売上が下がり付加価値が減少したら、人件費のカットに手を付けなければならなくなります。みんなで協力して付加価値を上げ、利益を稼ぐことが先決だと従業員に理解してもらう事が先決です。

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