ski経営サポートオフィスの社労士コラム
職務分析と職務評価とは
2012.08.13
職務分析と職務評価
人事政策の基本としてまず初めに行うことが、職務分析と職務評価です。
職務分析とは、職務に関する情報を整理・収集し、職務の内容を明確にするプロセスです。
一方、職務評価とは、社内の職務同士を比較し、両者が同じか、異なるのか、異なる場合はどこが異なるのか、職務分析の結果に基づき、職務の大きさを他の職務と相対評価することです。 導入の手順 職務分析・職務評価の導入は、まずは職務分析から始めます。
職務分析
- STEP① 情報収集 分析の対象となる職務を決め、担当者や直属上司に「日々の業務内容」「業務目的」「必要な技能知識」「意思決定の権限の有無」などをヒアリングします。
- STEP② 収集した情報の整理・統合 次に、収集した情報を①「業務内容」と②「責任の程度」などの要素ごとに整理します。職務分析を実施すると、上位の等級の者が下位の等級の仕事ばかりをやっている等、仕事と賃金がいかに結びついていないかがはっきり分かります。
① 業務の内容
- 主な業務
- 取り扱う対象・範囲
- 必要な知識や技術の水準
② 責任の程度
- 権限 -部下の有無、権限の範囲
- 役割の範囲
- トラブル発生時や緊急時の対応
- 成果への期待の程度
仕事調べシート
仕事の内容 | 所要時間 |
難易度(1,2,3,4,5) | 権限の有無 |
---|---|---|---|
毎日やるべきこと | |||
週1回などにやるべきこと | |||
月1回・年1回などにやるべきこと |
職務評価(単純比較法)
職務評価では、職務分析結果をもとに、ある職務を他の職務と比較して相対評価をしていきます。この場合、相対評価が必要な二者間において比較することが重要です。比較は、業務の内容について比較することと、責任の程度について比較することが必要です。比較する方法としては、以下が考えられます。
- 同じ部門で雇用区分が違う者の職務を比較する 例)製造部門正社員/製造部門パート社員
- 違う部門で同じ雇用区分の者の職務を比較する 例)営業職正社員/事務職正社員
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職務比較表の完成
組織における個々の仕事を客観的に分析し、定義づけをすることで、従業員間の待遇不均衡が明らかになります。また、従業員のキャリアアップへの道筋を新たに作ることもできます。
職務評価の方法は、単純比較法の他にも「分類法」、「要素比較法」などがあります。
評価制度の導入に関する助成金等も活用しながら、積極的に取り組まれてはいかがでしょうか。