ski経営サポートオフィスの社労士コラム
正規雇用労働者・非正規雇用労働者とは?②
前回は正規雇用労働者についてお話しましたが、今回は「非正規雇用労働者」についてです。
パートタイマー
パートタイマーとは、正社員に比べて労働時間や労働日が短い人をいいます。このような人を「短時間労働者」と呼び、法的には次のように規定されています。
「一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い労働者」(短時労2)
ここでいっている通常の労働者とは、正社員のことです。
パートタイマーの賃金は、日給か時給のところが多いようです。
正社員は、具体的にいつからいつまで働くという契約ではなく、期間の定めのない雇用契約です。パートタイマーのほとんどは期間を定めた契約で、その期間は6か月間または1年間が多く、その契約を更新することで、継続した期間働いている例が多数見られます。
アルバイト
パートタイマーとアルバイトの違いは、明確に法律に定められている訳ではありません。アルバイトは余暇を利用して働く副業的なものと解釈されます。学生が自由時間(授業を休んでる場合もありますが)に働くのはアルバイトの代表的な例です。
雇い主からみれば、臨時の業務のために雇う従業員を、アルバイトというようです。アルバイトの労働時間は、本人の事情に合わせてそれぞればらばらです。そのため賃金は時給がほとんどです。
雇用期間の定めがある場合がほとんどで、パートタイマーと同様に契約更新する例も多くみられます。
契約社員
契約社員の法的な定義はありませんが、「契約社員」という呼び方は、労働時間が正社員と同じで、雇用期間の定めのある従業員によく使われます。
雇用期間の最長は労働基準法で3年間と決まっています。(高度な知識や技術が要求される職務は最長5年)しかし現実の契約社員は1年間の契約が多いようです。基本的に契約期間が満了すれば、契約も終了となります。契約更新するケースもあります。2013年4月1日から数えて働く期間が5年以上となる場合で、本人が希望すれば無期雇用に転換させなければならないというように法改正されましたので、注意が必要です。
契約社員の労働時間は正社員と同じで、賃金も月給制が採用されているケースが多くみられます。
嘱託社員
嘱託社員とは、定年後引き続いて雇用される場合や60歳以降に雇用される人に対してよく用いられます。労働時間はケースによって様々ですが、実態は正社員と同じ所定労働時間の場合が多いようです。中には体力や健康面を考慮して、労働時間が短いケースもあります。
契約期間は、契約社員と同じように期間の定めがある場合で、1年間で契約更新する例が多くみられます。定年退職の再雇用の場合は、最長5年の雇用契約が可能です。
賃金は、正社員と同じ月給制が多く、定年時と比較して、ダウンしている例が多いのが特徴です。
助成金での非正規雇用労働者とは
非正規雇用労働者育成支援奨励金では、次のように規定されています。
有期契約雇用労働者等
次のアまたはイに当てはまる労働者
- ア.有期契約労働者(期間の定めのある労働契約を締結する労働者)
- イ.正規雇用の労働者以外の無期契約労働者(期間の定めのない労働契約を締結している が、正社員待遇(注)を受けていない労働者)
(注)賃金の算定方法、支給形態、賞与、退職金、定期的な昇給または昇格などについて、その 事業所の就業規則などに基づく長期雇用を前提とした待遇
※ア、イのいずれも、短時間労働者および派遣労働者を含む。
以上からこの助成金に関しては、一般的な解釈とは別に、正社員待遇を受けていない従業員は有期雇用でなくても、全て「非正規雇用労働者」の扱いになるようです。