ski経営サポートオフィスの社労士コラム
「高年齢者雇用安定法改正への対応に関するアンケート」
2013.10.12
東京経営者協会は、2013年4月1日に改正高年齢者雇用安定法が施行されたことに伴い、 企業の法改正への対応状況や高齢者雇用に関する制度の見直しの内容などについて、「 高年齢者雇用安定法改正への対応に関するアンケー ト調査」を実施し公表しました。
以下その概要です。
調査対象:会員企業 989社
調査時点:2013年4月1日現在
調査結果のポイント
ポイント1-1:今回の法改正に伴い定年制見直しや定年年齢を変更た企業は少数
- 回答企業すべてに定年制があり、約97%が定年年齢を「60歳」。
- 4月1日の高齢法の改正にあわせ「定年年齢を変更した」企業は2社、うち1社は65歳までの選択定年制を導入。「今後変更予定」は3社。
ポイント1-2:「再雇用制度・上限年齢65歳」が主流
- 97% が「再雇用制度」を導入
- 再雇用の上限については、上限年齢を定めている企業の内1社を除いたすべてで「65歳としている。」
ポイント2:3分の2が対象者基準による経過措置で対応、2割が希望者全員へ変更
- 今回の高齢法改正で継続雇用者の対象者基準の仕組みが廃止されたことに関し、58.6 %が「 3月31 日以前から対象者基準があり、今後も経過措置の範囲内で対象者基準を運用」、7.3 %が「これまでは対象者基準を定めず希望全員としていたが、3月31日までに労使協定より対象者を限定する基準を定め、4月1日以降は経過措置の範囲内で運用する」と回答。約3分の2の企業が対象者基準による経過措置を適用する。
- 約2割の企業が「対象者基準に適合する者を対象としていたが、高齢法の改正に合わせ、希望者全員」に変更 。
ポイント3-1:人事制度等の見直し実施企業は36%。
- 人事制度等の「これまで対応を見直した」企業は36%にとどまり、64%が「特に見直しはしていない」と回答。
- 人事制度等の見直しをした場合、約8割が「継続雇用者の処遇水準や評価制度等の見直し」を実施 。次いで「継続雇用者の勤務日数や勤務時間を減らすなどによるワークシェアリングの実施」など。
- なお、「若手・中堅社員の昇格スピード見直し」や「若年者の採用数縮減」を行った企業はきわめて少数。
ポイント3-2:「継続雇用者の評価制度導入」や「新たな賃金テーブル設置」どで対応
- 「継続雇用者の処遇水準や評価制度等の見直し」の内容として、31%の企業 が「継続雇用者を対象とした評価制度の新たな導入」を行っている。
- 「定年到達時の賃金と比べ水準を引き上げた」または「賃金水準を引き下げた」とする企業や「報酬比例部分の相当額を補てんした」企業も見られる。引き下げ幅を多くした場合、定年到達時賃金の「6~7割」程度であった賃金を「4~5割」程度に見直している企業が多い。
- その他の回答の中には、これまでは再雇用の対象とならなかった者も含まれるような従来より低い「 新たな賃金テーブルを設置」 した企業も4社あった。