ski経営サポートオフィスの社労士コラム
就業規則の効力発生はいつ?
就業規則の作成・届出義務
労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則を作成し所轄労働基準監督署に届け出をしなければならないと定めています。
この「常時10人以上」は、時として10人未満になる場合もあるが、常態としては10人以上の労働者を使用している場合をいいます。「10人以上の労働者」には、正社員のみでなく、パートタイマーやアルバイトも含まれます。派遣社員については、派遣元での人数にカウントするため派遣先では人数にカウントしません。
また、各事業場において就業規則の作成、届出義務があります。支店、営業所等の各事業場で常時10人以上の労働者がいる場合は各事業場で作成、届出を行います。
例えばA支店が8人、B営業所が5人の場合は、どうでしょうか?
それぞれ独立した事業所とみられるときには、それぞれ10人未満の労働者しか使用していませんから就業規則を作成、届出する義務はないと考えられます。
しかし、営業所が支店との組織的な関連や事務処理能力など考えあわせて、1つの事業所として独立性がない場合は、上位組織の支店と一括して1つの事業所とみることになります。その場合は両方を合計すれば10人以上になりますので、支店と営業所を一括して就業規則を作成、届出する必要があります。
届出をする時には、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、または労働者の過半数を代表する者の意見書を添付する必要があります。労働者が就業規則の内容に否定的なことを意見書に記載していてもその就業規則は有効なものとなります。
10人未満の労働者を使用する場合
常時10人未満の労働者を使用する使用者は法律上就業規則の作成義務はありませんが、以下の理由で作成しておいた方が良いと考えます。
- 社内になんとなくあるルールや暗黙の了解を明確にするため
- 無駄な手続きを省くため
- 労使トラブルを防止するため
- 問題社員に対処するため
- 会社のカラーを明確にするため
- 社内で働く人に安心感を与えるため
就業規則の効力の発生
就業規則の効力の発生する時期はいつか?という問題ですが
就業規則を作成する手続きですが、1.就業規則の作成、2.労働者代表の意見聴取、3.労働基準監督署長への届出、労働者への周知という流れです。
これらのどの段階で効力が発生するかですが、最高裁は労働者に何らかの方法で周知された段階で、はじめて効力が発生するという考え方を取っています。(フジ興産事件)
罰則
使用者が就業規則の作成、届出をしなかった場合には30万円以下の罰金となります。