ski経営サポートオフィスの社労士コラム
キャリアアップ助成金の利用の促進
キャリアアップ助成金の拡充
前年度から始まったキャリアアップ助成金ですが、今年度9月末時点の計画認定数は、1万6000件を超え、前年度の実績を上回るペースとなっているものの、支給実績は3600件ほどにとどまっています。
このため「計画に基づいたキャリアアップの実現と助成金の支給申請に着実に結び付けていくための周知活動や審査体制の短縮に向けた見直しを図る。」と厚生労働省は発表しています。
現在、兵庫県では支給申請から実際に助成金支給になるまで3か月ほどかかっており、迅速な審査が望まれます。
キャリアアップ助成金の注意ポイント
キャリアアップ助成金の申請で注意しなければならないポイントは、就業規則です。助成金を受給するためには、正社員の転換制度を就業規則に記載することが条件なのですが、この就業規則の記載事項と正社員に転換する対象者の労働条件にずれがあると対象外となり、助成金が支給されないことがあります。
就業規則の記載事項には十分注意してください。できれば、助成金の得意な社労士に内容を確認してもらうことをお勧めします。
正社員化の推進
厚生労働省は、正社員就職を促進するため、事業所に対し、非正規雇用求人を正規雇用求人に転換するよう求めるほか、非正規雇用で就職を希望する者について、このタイミングで正社員求職に切り替えるよう勧めるとしています。
10月の失業率は3.5%、有効求人倍率は1.10倍と改善基調が続いています。ただし、前年同月と比較して非正規労働者は16万人増加したのに比べ、正規雇用労働者は7万人の増加にとどまっています。正社員の採用には企業はまだまだ躊躇している状況だといえるでしょう。
パートの奪い合いが続く中で、今後は、一人あたりの生産性を上げるための教育が益々不可欠になっていくでしょう。
中小企業は、今回の助成金の活用促進を上手く利用して、必要な人材の育成と固定費の削減に取り組んでいただきたいと思います。