ski経営サポートオフィスの社労士コラム

60代の仕事

2015.01.31

 独立行政法人労働政策研究・研修機構が60~69歳の5,000人を対象に調査をした「60代の雇用・生活調査」の結果を発表しました。

 5年前と比べてその結果は、

60代になっても働いている人の割合

  1. 男性で55歳当時働いていた人の内定年後継続雇用された人(17.2%→24.0%に上昇)
  2. 定年直後に無職であった人(60~64歳層:18.2%→13.0%/65~69歳層:28.4%→18.4%に低下)
  3. 定年を経験し65~69歳層で引退している人(28.3%→24.5%へ低下)
  4. 65~69歳層で、定年せずに同じ会社で働き続けている人(6.1%→10.8%へ上昇)

 この結果は、定年後希望者全員を継続雇用することが法律で義務付けられたことが大きいとみられます。

定年後継続雇用での仕事の変化と賃金の変化

  1. 定年後継続雇用で仕事の職種に変化はない人(78.8%→83.9%へ上昇)
  2. 仕事の内容について、責任の重さが変わった人(35.9%)、変わらなかった人(50.9%)
  3. 賃金が減少した人(60~64歳層:82.9%→86.0%へ増加/65~69歳層:77.8%→75.6%に低下)

 この他、賃金の減少率をみると、41~50%の減少とする人が24.0%ともっとも多く、次いで21~30%(18.3%)、31~40%(14.1%)となっており、これら2割超5割以下の減少率合計で半数を超えています。

 また、賃金が下がったことについて、

「雇用が確保されるのだからやむを得ない」が(48.5%)

など納得しているとする人が多いものの、

「仕事がほとんど変わってないのに賃金が下がるのはおかしい」が(30.2%)

「会社ヘの貢献度が下がったわけではないのに賃金が下がるのはおかしい」が20.6%あり、

納得派と懐疑派とが拮抗する結果となっています。

まとめ

 現在は特に技術者や熟練工などの育成に時間のかかる人材が不足しており、高齢者に頼らざるを得ない会社も多くなっています。

 60~64歳層で現在仕事をしている人に65歳以降に仕事をする意向を尋ねると

「仕事はしたくない/仕事からは引退するつもり」

は11.7%ににとどまり、今後仕事をすることに関して消極的な人は少ない一方

「まだ決めていない/わからない」

が31.4%と迷っている層が最も多い結果が出ています。

 高齢者層と女性の労働力は今後の人材不足に対する鍵とも言われており、働き続けたいと思ってもらえる会社の仕組み作りが重要といえそうです。

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