ski経営サポートオフィスの社労士コラム
ストレスチェック制度
2015.09.22
ストレスチェックの実施
- 従業員数50人以上の事業所はストレスチェックの実施が義務となります。この場合、事業場ごとに50人以上でなければ、全社で50人以上でも義務はないことになります。
- ストレスチェックの実施の頻度は、1年ごとに1回で、平成 27 年 12 月 1 日の施行後、1 年以内(平成28年11月30日まで)に、ストレスチェックを実施する必要があります。
- ストレスチェックの結果は本人に通知され、本人の同意がない限り、事業主に提供できません。
- 建設業は、現場ごとではなく、原則、支店や営業所などを1つの事業所としてみなし、所属している事業所で人数をカウントすることになり、下請けなどは含みません。
- ストレスチェックの調査票には、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」の3つの領域に関する項目により検査を行い、労働者のストレスの程度を点数化して評価して行います。
- 健康診断と異なり、ストレスチェックについては、事業者が指定した者(産業医など)が実施する必要があり、従業員がかかりつけの医者などを指定することはできません。
面接指導の実施
- ストレスチェックの結果の通知を受けた従業員のうち、高ストレス者として面接指導が必要と評価された者から申出があったときは、医師による面接指導を行うことが事業主の義務になります。
- 高ストレス者は、「心身の自覚症状に関する項目の評価点数の合計が高い者など」といった内容で衛生委員会などの意見を聞いて事業主が選定基準を定め、その基準に基づき選定されます。
- 事業主は、面接指導の結果に基づき、医師の意見に基づき、必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を取らなければなりません。
集団分析の実施
- ストレスチェックの結果を職場や部署単位で集計・分析することは、規則に基づく事業主の努力義務とされています。
労働者に対する不利益取扱いの防止
- 面接指導の申出を理由として、労働者に不利益な取扱いを行うことは法律上禁止されています。
- ストレスチェック結果が、労働者の意に反して人事上の不利益な取扱いに利用されることがないようにしなければなりません。
- 人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務(ストレスチェックの実施を含む)に従事してはいけません。
- ストレスチェックの結果の提供に同意しないことや高ストレス者として面接指導が必要と評価されたにもかかわらず、面接指導を申し出ないことを理由として懲戒処分などを行うことはできません。
- 面接指導の結果を理由とした解雇、雇止め、退職勧奨、不当な配転・職位変更等も行うことができません。