ski経営サポートオフィスの社労士コラム

パート従業員の賃上げで助成金

2015.12.12

130万円の壁対策

塩崎厚生労働相が、平成27年12月7日の経済財政諮問会議で、パート従業員の賃上げや労働時間の延長をした企業に対し、助成金を出す方針を発表しました。

よくパートで働く主婦の間では「103万円の壁」と「130万円」の壁があると言われます。「103万円の壁」の方は所得税の扶養の範囲、「130万円の壁」は社会保険の扶養の範囲ですが、今回は社会保険の扶養の範囲である「130万円の壁」の対策として実施される予定の制度です。

対象となるパート従業員約60万人のうち20万人程度が利用するとみて、安倍首相は、厚労相に事業者への周知を指示したとのことです。

新しい助成金の制度は、

  1. 平成28年4月から平成32年3月までの4年間続ける。
  2. 大企業で2%、中小企業で3%以上の賃上げ。
  3. パート従業員が働く時間を週5時間以上延長する。
  4. キャリアアップ助成金を活用し、賃金引上げと労働時間延長の双方を行った事業主には、1事業所あたり最大600万円を支給。

パート従業員は賃上げをにより、手取り額の目減り分を緩和でき、本人の年金額も増え、企業側も社会保険料の負担を軽減できるということです。

また、働く時間が長くなることで人手不足の緩和にも繋げたい考えです。

現状では、年収が130万円以上か正社員の3/4以上の労働時間働くパート従業員は社会保険の扶養に入れずに、自分で保険料を負担しないといけません。

来年10月からは、従業員が501人以上の企業では、年収が106万円以上か週20時間以上働くパート従業員は扶養から外れ、自分で保険料を負担しないといけなくなります。

助成金の詳細

① 賃金の引き上げ

対象事業主
  • 賃金の引き上げ(最低賃金引上げ分を含まず)を行う事業主
  • 賃金テーブルを改定し、短時間労働者の賃金を2%以上増額させた事業主が対象
助成額
  • 1事業所当たり人数と対象範囲に応じて5万円~300万円(大企業3/4程度)
対象事業主
  • 積極的に適用拡大を行う中小企業において、被用者保険適用となる短時間労働者等について、賃金を増額した事業主
助成額
  • 賃上げ3%以上~14%以上:1人当たり2万円(大企業1.5万円)~10万円(大企業7.5万円)

② 労働時間延長を行う事業主への支援

対象事業主
  • 週労働時間を5時間以上延長し被用者保険適用した事業主(平成28年4月から平成31年度までの措置)
助成額
  • 1人当たり20万円(大企業15万円)
対象事業主
  • ①の賃金の引上げとあわせ処遇改善に積極的に取り組んだ事業主
助成額
  • 週労働時間を1時間以上延長~4時間以上延長:1人当たり4万円(大企業3万円)~16万円(大企業12万円)

①、②いずれも最大300万円が上限

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