ski経営サポートオフィスの社労士コラム
賃金になるものは
2012.01.04
賃金
労働基準法での賃金とは、
- 賃金、給料、手当、賞与その他名称を問わない
- 労働の対償である
- 使用者が労働者に支払うもの
以上のすべてのものとなります。
基本給、役職手当、職能給、家族手当、通勤手当、住宅手当、歩合給、昼食代補助など名称にかかわらず、実態が労働の対償として支払われていれば、賃金となります。
労働の対償
労働の対償とは、労働者が使用者との関係の下で行なう労働に対して、報酬として使用者が支払うものをいいます。
- 結婚祝金などの任意や恩恵的なものは賃金ではありません。ただし、就業規則・労働契約などであらかじめ支給条件を明確にしている場合は、賃金となります。
- 住宅の貸与など福利厚生施設は、原則として賃金ではありません。ただし、賃金とされる場合もあります。
- 食事の提供は、①賃金の減額が無い、②就業規則等に定められていない、③それによる労働者の利益がわずかである、という3つの条件を満たした場合、原則として福利厚生となります。
- 制服貸与などの企業の設備であるものは、賃金ではありません。
- 通勤定期代は、賃金となります。
- 実物給与とみなされる支給は、賃金となります。
- 労働者が支払うべき税金、社会保険料などを事業主が代わって負担した場合は、賃金となります。
所得税法と労働基準法の違い
所得税法と労働基準法では、賃金となるものの範囲が異なる場合があります。
例えば、事業主が従業員に食事を提供する場合、労働基準法では、労働者より徴収する金額が、実際の費用の1/3以下の場合、その差額が賃金となります。
一方、所得税では、徴収する金額が3,500円以下で、実際の費用の半額以上の場合、非課税となります(昼食代の場合)。