ski経営サポートオフィスの社労士コラム

賃金の支払い方法は

2012.01.05

賃金支払い方法の5原則

労働基準法では、賃金の支払い方法について、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならないと定めています。賃金の支払い時期について、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。

  1. 通貨で支払う
  2. 労働者に直接支払う
  3. 全額支払う
  4. 毎月1回以上支払う
  5. 一定期日に支払う

この5原則には、それぞれ例外として認められている事項があります。

通貨で支払う

賃金は通貨で支払わなければなりません。ただし、

  1. 書面(必要記載事項有)により労働者の同意を得た場合で、労使協定が締結されている場合は、労働者本人が指定する口座に振り込むことができます。
  2. 賃金支払日の午前10時までに引出が可能となっていることが必要です。
  3. 賃金支払い日に計算書を労働者に交付することが必要です。

 

  • 通貨払いなので、原則として現物給与での支払いは禁止されていますが、次の場合は現物で賃金を支払うことができます。

① 法令に別段の定めがある場合(現在はありません)

② 労働協約に別段の定めがある場合

③ 厚生労働省令で定めるものによる場合

直接払い

賃金は直接労働者に支払わなければなりません。いわゆるピンハネを排除することが趣旨です。

未成年者であっても賃金を親などに渡すことはできません。ただし、

  • 病気など臨時の場合に、使者である労働者の妻子などに支払うことは、差支えないとされています。

全額払い

賃金は、全額を支払わなければなりません。

積立金、貯蓄金などを天引きしたり、貸付金、売掛金と相殺したりすることも認められません。ただし、

  1. 法令に別段の定めがある場合(所得税、社会保険料、雇用保険料など)と
  2. 労使協定をした場合には、賃金の一部を控除して支払うことができます。
  • 労働者の欠勤・遅刻・早退・労働組合のストなどの労働しなかった限度において、賃金を支払わないことはここでいう控除にはなりません。

毎月払い

賃金は、毎月1回以上支払わなければなりません。ただし、次の場合には適用されません。

  1. 臨時に支払われる賃金
  2. 賞与
  3. 1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精皆勤手当
  4. 1か月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
  5. 1か月を超える期間ににわたる事由によって算定される奨励加給または能率手当

一定期日払い

賃金は、一定の期日を定めて支払わなければなりません。一定期日とは支払期日が特定され、周期的に到来するものでなければならず、例えば毎月25日というように定めることをいいます。

  • 賃金はその支払期日前に支払う必要はありませんが、①出産、②疾病、③災害、④結婚、⑤死亡、⑥やむを得ない事由による1週間以上の帰郷などの非常の場合に、労働者が請求したときは、支払日前でも、すでに働いている分の賃金を支払うこととされています。
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