ski経営サポートオフィスの社労士コラム
業務上・通勤中のケガなどで休業するときは
2012.01.26
休業(補償)給付
従業員が業務上または通勤中のケガや病気のため出勤できず、その間給与が支給されない場合、賃金の補てんを目的として、労災保険から休業(補償)給付と休業特別支給金が支給されます。
支給要件
支給には、次の要件が必要です。
- 業務上か通勤中のケガや病気の療養ために労働できないこと
- その間賃金の支給が無いこと(一部を受けている場合も含む)
- 待機期間3日間が完了していること
支給額
3日間の待機期間が完了し4日目以降に休業している間に次の金額が支給されます。
- 休業(補償)給付 :休業日1日当たりの給付基礎日額(平均賃金のこと)×60%
- 休業特別支給金 :休業日1日当たりの給付基礎日額×20%
※ 出勤日でない休日でも要件を満たせば支給の対象となります。
待機期間
休業の1日目から3日目までは、待機期間といい、労災保険からの給付は受けられません。待機期間中は、業務上の災害であれば労働基準法に基づいて、平均賃金の60%以上の休業補償を会社が支払わなければなりません。
通勤災害の場合には、このような支払いの義務はありません。
待機期間の注意点は以下のとおりです。
- 所定労働時間内に被災し、すぐに病院に行き、その後労働できない場合、待機期間はその日からスタートします。
- 残業時間中に被災し、すぐに病院に行き、その後労働できない場合は、待機期間は翌日からスタートします。
- 被災の数日後に初めて病院に行った場合は、すでに休んでいても、病院に行った初診日から待機期間がスタートします。
- 待機期間は、出勤日でない休日も含まれます。
- 3日間が連続していなくても通算で3日間あれば待機期間は完了します。
- 通勤災害の待機期間中は、何も支給がありませんので、有給休暇を従業員の申請により使用することは差し支えありません。
その他の注意点
- 通勤災害で療養給付を受けているときは、初回の休業給付から200円徴収されます。
- 就業時間の一部だけ労働した場合は、給付基礎日額から労働した分の賃金を差し引いた額の60%が支払われます。特別支給金はそのまま20%支給されます。
傷病(補償)年金
- 業務上の災害や通勤中の災害により、療養を開始してから1年6か月過ぎてもまだそのケガや病気が治っておらずに、第1級から台級までの傷病等級に該当する場合は、休業(補償)給付に代わって傷病(補償)年金が支給されます。
- 傷病等級に該当しないときは、引き続き休業(補償)給付が支給されます。
- 傷病(補償)年金はケガや病気が治っていない場合に支給されます。これ以上回復が見込めない状態で、障害が残った場合は障害(補償)年金を請求することになります。
以上の給付は黙っていてももらえません。会社を管轄する労働基準監督署に、それぞれの給付の請求をすることが必要です。