ski経営サポートオフィスの社労士コラム
残業代をめぐる環境の変化は
2012.04.14
残業代請求の背景
多重債務者をターゲットした「過払い金請求」は、一時ブームと言えるほどのにぎわいをみせましたが、それも一段落したように思えます。
この「過払い金請求」で一番利益を得たのは、一部の弁護士や司法書士です。そしてブームが一段落した今、次のターゲットとされているのが「未払い残業代請求」です。
実際、「残業代請求」とインターネットで検索すれば、様々な広告を見ることができます。私が以前勤めていた会社でも32億円もの「未払い残業代」を支払っています。
なぜ残業代の請求が急増しているのでしょうか?
- まず1つは、労働者の権利意識の高まりが上げられます。不況で会社を辞めざるを得なかった労働者や賃金の引き下げなどで労働者に「少しでも多くのお金をもらいたい。」といった意識が働いています。
- 2つ目の要因として、「過払い金請求」の次のターゲットとして、弁護士などが積極的広告を出しており、それを見た労働者が「自分ももらえるかも」と考えるようになってきたことが上げられます。
損害保険会社の方と話す機会があったのですが、不況になり、以前はその程度では請求しなかったような内容の保険金の請求が増加しているそうで、そこにもこういった意識が働いているのだろうと分析されていまいした。
又、弁護士とまではいかなくても、労働組合や労働基準監督署から残業代を支払うように言ってこられる場合もあります。
このような場合どのように対処したら良いのでしょうか?
会社は言いなりに残業代をしはらわなければならないのでしょうか?
労働基準法は労働者を守るための法律ですから、労働者側は、その法律をたてに会社の不備をついてきます。
このような「残業代の請求」から会社を守るために、就業規則などにきちんと対策を明記することと、正確に制度を運用していくことが重要です。
「残業代の請求」で会社を倒産の危機から守るために、あらゆる対抗策を講じましょう。