ski経営サポートオフィスの社労士コラム

【03:採用】記事一覧

パートタイマーへの説明義務の強化

2014.11.29

 平成27年4月1日からパートタイム労働法が変わりますが、この中で

  1. 職務内容が正社員と同一
  2. 人材活用の仕組みが正社員と同一

であればパートタイマーと正社員の待遇の違いに差をつけることが禁じられます。

 上記に該当するパートタイマーに関して、例えば「正社員には付いている手当がパートタイマーにはない」という場合は改正後は同じ手当を付る必要があることになります。

 尚、この法律の対象となる「パートタイマー」とは

「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間と比べて短い労働者」

とされています。

 簡単にいうと、正社員と同じような仕事をしていて正社員より短い時間で働いてる人ということになります。フルタイムの人は、社内でパートと呼ばれていてもこの法律の対象にはなりません。

 パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主の説明義務の新設

 今回の改正で、パートタイマーを雇い入れたときの説明義務が新たに加えられました。

 具体的には、雇い入れたときに雇用管理の改善措置の内容を説明しなければならないのですが、例として挙げられているのが、

  • 賃金制度はどうなっているか
  • どのような教育訓練があるか
  • どのような福利厚生施設がりようできるか
  • どのような正社員転換推進措置があるか

 「この説明を求めてきたことを理由に、不利益な取扱いをしてはならない。不利益な取扱いを恐れて、パートタイム労働者が説明を求めることができないことがないようにしなければならない」ことも合せて規定されています。

 これに加えてパートタイマーを雇い入れたときに文書により明示する内容に相談窓口が追加されます。

 この追加に関してはパートタイム労働者に対して交付する労働条件通知書の様式を変更する必要があるため、早めに準備をしておきたいものです。

中小企業の高卒初任給(平成26年度)

2014.11.15

 厚生労働省は13日、2014年の初任給結果を公表しました。高卒者の初任給は前年比1.8%増の15万8,800円で、男女別では、男性が1.5%増の16万1,300円、女性は1.9%増の15万4,200円でした。

 兵庫県は、男女計16万1,100円、男性16万2,100円、女性15万7,800円

 大阪府は、男女計16万7,800円、男性16万9,900円、女性16万3,400円

 産業別にみた初任給

産業別高卒初任給
産業男女計男性女性
鉱業,採石業,砂利採取業 16万5,700円 16万7,200円 15万4,800円
建設業 16万4,900円 16万5,300円 15万7,600円
製造業 15万8,900円 16万1,200円 15万2,900円
電気・ガス・熱供給・水道業 15万9,500円 15万9,600円 15万7,700円
情報通信業 16万4,700円 17万4,200円 16万100円
運輸業,郵便業 15万8,200円 15万9,400円 15万1,700円
卸売業,小売業 16万1,600円 16万4,200円 15万9,200円
金融業,保険業 14万5,900円 14万7,200円 14万5,700円
不動産業,物品賃貸業 16万2,200円 16万5,900円 15万4,100円
学術研究,専門・技術 16万100円 16万3,600円 15万3,900円
宿泊業,飲食サービス業 15万5,000円 15万7,700円 15万3,300円
生活関連サービス業,娯楽業 16万3,500円 16万5,300円 16万2,800円
教育,学習支援業 15万4,600円 16万7,100円 15万2,800円
医療,福祉 15万2,300円 15万3,700円 15万1,700円
複合サービス事業 14万4,200円 14万3,300円 14万4,800円
サービス業(他に分類されないもの) 15万8000円 15万9,100円 15万5,500円

 高いのは、平均を100として、建設業、情報通信業が平均の104%(男女計)、逆に低いのは、金融業・保険業の92%、複合サービス業の91%でした。

 男女別で最も高いのは情報通信業(男性)の108%、生活関連サービス業・娯楽業(女性)106%で、最も低いのは複合サービス業(男性)の89%、金融業・保険業、複合サービス業94%(女性)でした。

企業規模別

 企業規模別でみると、

従業員数100~999人の中企業

男女計: 15万8,100円(前年比2.1%増)

男性:   16万1,000円(前年比2.0%増)

女性:   15万3,900円(前年比1.9%増)  

従業員数10~99人の小企業

男女計: 15万8,300円(前年比2.7%増)

男性:   16万1,700円(前年比2.3%増)

女性:   15万1,800円(前年比2.5%増) 

新規採用時の給料の額

 高卒の初任給は、「中小企業で新人を採用する場合に給与をいくらにするか?の目安とすることができます。

 地域、従業員数、産業別の給与を平均額と比較していけば、その地域・業界での高卒の初任給の相場が分かります。

 その初任給の相場と今の求人の給料との差がある場合は、人材を確保することはかなり難しくなるでしょう。

 新人の給料が上がれば、今まで働いてもらっている人の給料も見直さないといけないかもしれません。

 人材不足で困っている事業所が多くなってきていますが、処遇面で見劣りしていないか一度見直してみるよい機会です。

 

 

企業が新卒社員に求める能力ランキング

2014.10.19

日本経済団体連合会が行った調査によると

企業が選考にあたって重視した点を25 項目から5つ回答する設問では、「コミュニケーション能力」が11 年連続で第1位となった。「主体性」、「チャレンジ精神」、「協調性」、「誠実性」の順に続き、上位5項目には変化がなかった。

また、選考にあたって、学業成績をどの程度重視しているかの設問については、 51.7%が「かなり重視している」または「やや重視している」と回答した。

日本経済団体連合会企業会員のうち1,310 社を対象

回答状況:660 社(回答率50.4%)

*製造業44.8%、非製造業54.4%、不明0.8%

*従業員数

1,000 人以上72.1%、500 人以上~1,000 人未満13.8%、500 人未満12.9%、不明1.2%

《2013年4月入社との比較》
2014年調査順位2013年調査順位選考にあたって特に重視した点2014年調査2013年調査増減
1位 1位 コミュニケーション能力 82.8% 86.6% ▲3.8
2位 2位 主体性 61.1% 64.9% ▲3.8
3位 3位 チャレンジ精神 52.9% 54.8% ▲1.9
4位 4位 協調性 48.2% 51.8% ▲3.6
5位 5位 誠実性 40.3% 41.0% ▲0.7
6位 6位 責任感 28.1% 27.6% 0.5
7位 8位 論理性 23.7% 19.9% 3.8
8位 7位 潜在的可能性(ポテンシャル) 22.4% 21.3% 1.1
9位 9位 リーダーシップ 18.8% 17.7% 1.1
10位 11位 柔軟性 16.1% 15.4% 0.7
11位 10位 職業観・就労意識 14.7% 16.1% ▲1.4
12位 14位 専門性 13.1% 10.8% 2.3
13位 12位 創造性 12.6% 13.8% ▲1.2
14位 13位 信頼性 12.3% 11.6% 0.7
15位 16位 語学力 7.0% 5.7% 1.3
16位 15位 一般常識 6.8% 7.2% ▲0.4
17位 17位 学業成績 6.2% 5.7% 0.5
18位 18位 出身校 3.5% 3.0% 0.5
19位 19位 クラブ活動/ボランティア活動歴 2.7% 2.5% 0.2
20位 20位 倫理観 2.5% 2.5% 0
21位 21位 感受性 1.9% 1.4% 0.5
22位 22位 留学経験 0.8% 0.7% 0.1
23位 23位 保有資格 0.8% 0.7% 0.1
24位 24位 所属ゼミ/研究室 0.8% 0.5% 0.3
25位 25位 インターシップ受講歴 0.0% 0.0% 0
その他 3.6% 4.7% ▲1.1
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