ski経営サポートオフィスの社労士コラム

【06:社員満足度を向上させたい】記事一覧

平成28年度最低賃金

2016.09.17

平成28年度の最低賃金が大幅改定されます

厚生労働省からの最低賃金の発表が始まっています。今年は平均25円アップと過去最大の上げ幅となっています。最低額は沖縄・宮崎の714円で、これで600円台の最低賃金の都道府県はなくなりました。

各都道府県の平成28年度地域別最低賃金額及び発効年月日は、以下のとおりです。

平成28年度地域別最低賃金改定状況
都道府県名平成28年度最低賃金時間額前年度最低賃金時間額発行年月日
北海道 786 764 平成28年10月1日
青森 695
岩手 716
695 平成28年10月5日
宮城 748 726
平成28年10月5日
秋田 716
695 平成28年10月6日
山形 717
696 平成28年10月7日
福島 726
705
平成28年10月1日
茨城 771 747 平成28年10月1日
栃木 775 751 平成28年10月1日
群馬 759 737 平成28年10月6日
埼玉 845 820
平成28年10月1日
千葉 842
817
平成28年10月1日
東京 932
907
平成28年10月1日
神奈川 930
905
平成28年10月1日
新潟 753 731 平成28年10月1日
富山 770 746 平成28年10月1日
石川 757 735 平成28年10月1日
福井 754 732 平成28年10月1日
山梨 759 737 平成28年10月1日
長野 770 746 平成28年10月1日
岐阜 776 754 平成28年10月1日
静岡 807
783 平成28年10月5日
愛知 845 820
平成28年10月1日
三重 795 771 平成28年10月1日
滋賀 788 764 平成28年10月6日
京都 831 807
平成28年10月2日
大阪 883 858 平成28年10月1日
兵庫 819
794 平成28年10月1日
奈良 762 740 平成28年10月6日
和歌山 753 731 平成28年10月1日
鳥取 715
696 平成28年10月12日
島根 718
696 平成28年10月1日
岡山 757 735 平成28年10月1日
広島 793 769 平成28年10月1日
山口 753 731 平成28年10月1日
徳島 716
695 平成28年10月1日
香川 742 719
平成28年10月1日
愛媛 717
696 平成28年10月1日
高知 715 696 平成28年10月16日
福岡 765 743 平成28年10月1日
佐賀 715
694 平成28年10月2日
長崎 715
694 平成28年10月6日
熊本 715
694 平成28年10月1日
大分 715
694 平成28年10月1日
宮崎 714
693 平成28年10月1日
鹿児島 715 694 平成28年10月1日
沖縄 714 693 平成28年10月1日

「業務改善助成金」や「キャリアアップ助成金処遇改善コース」と最低賃金引き上げに関する助成金の拡充が行われていますので、上手く活用したいものです。

介護事業の問題点

2016.08.20

 8月5日、公益財団法人介護労働安定センターから「平成27年度介護労働実態調査」の結果が発表されました。

この実態調査は、

  1. 従業金の過不足
  2. 介護サービスを運営する上での問題点
  3. 賃金
  4. 過去3年間に介護を理由に退職した従業員の有無
  5. 採用率・離職率
  6. 仕事を選んだ理由
  7. 労働条件等の不満
  8. 仕事・勤務先に関する希望

以上の大きく8つの質問から成っています。

1.の「従業員の過不足」については、不足とした事業所が61.3%。

不足している理由については、

  1. 「採用が困難である」(70.8 %)
  2. 「事業を拡大したいが人材確保できない」(20.3 %)
  3. 「離職率が高い」(15.8 %)

となっています。

採用が困難な原因は、

  1. 「賃金が低い」(57.4%)
  2. 「身体的・精神的に仕事がきつい」(48.3%)

でした。

2.の「介護サービスを運営する上での問題点」についての回答は以下の通りとなっています。
  1. 「今の介護報酬では人材確保・定着のための十分な賃金を払えない」(53.8%)
  2. 「良質な人材の確保が難しい」(53.6%)
  3. 「経営(収支)が苦しく、労働条件や労働環境の改善をしたくても出来ない」(32.6%)
  4. 「指定介護サービス提供に関する書類作成が煩雑で、時間に追われている」(28.0%)
  5. 「新規利用者の確保が難しい」(26.9%)
  6. 「教育・研修の時間が十分取れない」(23.4%)
  7. 「介護従事者の介護業務に関する知識や技術が不足している」(9.9%)
6.の「仕事を選んだ理由」についての回答は以下の通りとなっています。
  1. 「働きがいのある仕事だと思ったから」(52.2%)
  2. 「資格・技能が活かせるから」(35.8%)
  3. 「今後もニーズが高まる仕事だから」(34.1%)
  4. 「人や社会の役に立ちたいから」(31.8%)
  5. 「お年寄りが好きだから」(24.1%)
  6. 「介護の知識や技能が身につくから」(23.3%)
  7.  「自分や家族の都合のよい時間(日)に働けるから」(16.1%)
  8.  「身近な人の介護の経験から」(16.1%)
  9.  「生きがい・社会参加のため」(14.7%)
  10. 「他によい仕事がないため」(10.0%)
7.の「労働条件の不満」についての回答は、以下のとおりとなっています。
  1. 「人手が足りない」(50.9%)
  2. 「仕事の内容の割に賃金が低い」(42.3%)
  3. 「有給休暇が取りにくい」(34.6%)
  4. 「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」(30.4%)
  5. 「業務に対する社会的評価が低い」(29.4%)
  6. 「精神的にきつい」(27.9%)
  7. 「休暇が取りにくい」(26.4%)
  8. 「夜間や深夜時間帯に何か起きるのではないかと不安がある」(17.7%)
  9. 「健康面(感染症・怪我)の不安がある(14.3%)
  10. 「労働時間が不規則である」(12.5%)
  11. 「労働時間が長い」(11.0%)
  12. 「福祉機器の不足、機器操作の不慣れ、施設の構造に不安がある」(10.5%)

すぐに改善するのは難しいと思いますが、アンケートの結果を参考にして、自事業所のアピールできるポイントを少しでも増やして採用難に打ち勝っていっていただきたいと思います。

「関連リンク」

http://www.kaigo-center.or.jp/report/h27_chousa_01.html

ブラック企業と言われないためには?

2016.02.27

ブラック企業と言われた途端に有名チェーン店でも、パート、アルバイトが集まらなくなり、店舗を閉めたり、営業時間の一部しか営業できないという事態に追い込まれる。

近くの牛丼店が数時間しか営業していないという光景は衝撃的でした。

ブラック企業と言われないためにはどうすれば良いでしょうか?

厚生労働省のサイトに「ブラック企業」に関する質問と回答が新しく追加されました。

それによると

【Q】「ブラック企業」ってどんな会社なの?

【A】  厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、

①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、

②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、

③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、

などと言われています。

このような企業に就職してしまった場合の対応としては、第一義的には会社に対して問題点の改善を求めていくことが考えられます。しかしながら、新入社員が単独で会社に問題点の改善を求めて交渉等をするのは現実的には非常に難しいと考えられます。したがって、問題点に応じて、外部の関係機関や労働組合に相談することも有効な手段と考えられます。

【Q】「ブラック企業」と言われないためにはどうすれば良いの?

【A】  厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、

①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、

②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、

③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、

などと言われています。

したがって、企業としては、このような問題点が生じないよう、企業全体でコンプライアンス意識を高く持ち、労働条件、就業環境を改善していくことが大切です。

 

対策については、あまり具体的ではありませんが、少なくとも上記の3つの特徴の逆のことをすれば厚生労働省の考えるブラック企業には当てはまらないことになります。

これらを逆にすると

①労働者に極端な長時間労働やノルマを課さない

②賃金不払いやパワハラなどがなくコンプライアンス意識が高い

③労働者に過度の選別を行わない

 

①の長時間労働については過労死の目安として、法定外の残業時間が80時間、100時間を超えると過労死 の危険があるというそれぞれの基準があるので、これらを超えないようにする工夫が必要です。

②については説明は不要でしょう。

③の労働者の過度の選別を行わないとは「労働者を使い捨てにしない」ということです。

どの業界も人材不足となっており、人口が減少していくことが実態の調査でも明らかになった今、人材不足は益々深刻になっていくことが予想されます。ブラック企業の烙印を押されて、全然人が来ないということにならないように、対策を取っていきたいものです。

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