ski経営サポートオフィスの社労士コラム

【03:採用】記事一覧

才能のある人を採用するには②

2013.07.20

今回は才能のある人を採用するための質問の続きです。

苦手なことと得意なことは何か?

仕事で何年も同じことをやっているのに、あまり得意でないことやある程度のレベルまでくればそれ以上はなかなか上達しないということがあります。

例えば、「営業で毎日誰かと話をしているのに大勢の前で話すのは苦手だ。」とか「毎日車の運転をしているけど縦列駐車はいつまでたっても苦手だ。」とか。

その反対に「人前で話すのは苦手だったけど、だんだん平気になった。」、「最初は車の運転が怖くて前を見ることしかできなかったけど今はおしゃべりしながら運転ができる。」

などというように経験を積むことによって、苦手なことは今でも苦労しているけど、得意なことは特に意識しないでもできるようになっていきます。

同じ仕事でも人によって得意不得意があり、習熟する速さも違ってきます。

応募者に「今までどんな仕事なら苦労せずにこなせたか、どんな仕事なら早く覚えられたか」を聞いてみるのは本人の才能を知る上で有効な質問になると思います。

どんなときに満足感を感じるか?

よく「営業は断られてからが始まり」などと言います。

実際「NO」と言われるとひっくり返してやろうとやる気になる営業マンも大勢います。

「競合がいると負けたくないと闘志が燃える。」というような営業マンもいます。

仕事に限らず「どんなことに満足感を感じるか」「何に充実感を感じるか」を聞いてみる事は、その人がどのようなことを長期にわたって続けていくことができるかを知る助けになると思います。

質問にどのような反応を見せるか?

質問の内容も大事ですが、質問に相手がどのような反応を見せるかも重要です。

例えば「顧客があなたのことを疑っている場合どうしますか?」というような質問をしたとします。

優秀な営業マンなら疑われることを嫌います。それは売り込んでいるのは自分自身だからです。このような質問は優秀な営業マンなら戸惑いを見せるかもしれません。

しかし、平凡な営業マンなら疑われることをあまり気にしません。だからあまり戸惑いを見せるようなことはしないでしょう。

これとは反対に塾の講師なら疑われるのはむしろ歓迎するかも知れません。疑うのは生徒が興味を示しているからだと感じるからです。

同じ質問でも職種によって答えが違います。

これらの質問を今いる事業所の全員に行っておいて、優秀な人とそうでない人の答えを体系化しておくことをお勧めします。

そうすることで、自身の事業所に必要な優秀な人を探すてがかりにすることができます。

才能のある人を採用するには①

2013.06.21

どのような人材を採用したいか?

人材を採用したいとき、どうのようにされているでしょうか?

 

1.ハローワークや求人誌有料の採用専門の機関に申し込む。

2.応募してきた人を書類選考する。

3.良さそうな人に面接に来てもらう。

4.1度の面接で採用を決定する。

というような流の事業所が多いのではないでしょうか?

 

この場合に即戦力を求めて、前職の職業経験や資格などで、決めていないでしょうか。

技術や知識は教えることができますが、やる気や会社の風土と合うかどうかなどは教えることができません。

今は知識がなくても一生懸命に仕事に取り組むやる気のある人を雇いたいのではないでしょうか?

会社の風土に合う考え方をもっているというのも一つの才能です。

 

この才能を見つけることはできるのでしょうか?

これが正解という完璧な質問というのはありませんが、以下に参考となるような質問の例を紹介します。

  1. YES,NOで答えられない質問をしてみる。

相手がいつもどのような対応をしているか、仕事でどんな行動をみせるかを判断することができます。

例えば、

「仕事の何が楽しいと感じていますか?」

とか

「上司と部下の関係はどのような形が理想だと思いますか?」

というような具合です。

ここで大事なことは質問をした後はだまっていることです。

もし、質問の意味を聞かれてもはぐらかすことです。

本当に聞きたいのは応募者本人が何を言いたいかです。

質問の解釈も含めて聞きたいことを伝えて下さい。

それとこれが一番大事なことですが、質問の答えがどんなものでも信用することです。

 

2.具体的な例を聞き出す。

求めている能力が必要な場面が過去の仕事の中であったかどうか?

あると答えた場合に、

「それはいつだったか具体的に教えて下さい。」

というように、いつ、どこで、誰がというようなことを具体的に言えるかどうかということです。

もうひとつは、答えが素早く返ってきたかどうかです。

答えられない場合は、あまり経験をしていない可能性があります。

この質問の注意点は、あくまで、「具体的」で「素早く答えが返ってきたか」のみで判断することで、

内容の質で判断しないことです。

例えば、

「いつのことですか?」

の質問に

「1週間前です。」

と回答があった場合、内容の説明はありませんが、1週間前という具体的な答えをしています。

すごく説明が上手く内容も良いけれど時期についてはあいまいな回答だった。という場合は質問に具体的に答えていないことになります。

どうして自分の会社には良い人が来てくれないんだろう

2013.06.09

経営者の悩み

先日ある社長からこんな話がでました。

「求人に応募してきてくれた人を面接し採用して、一生懸命指導して研修しても人が育たないんです。」

経営者からは良く聞く話ですし、このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

一般的に優秀な人は、大手の企業を希望する人が多いですし、中小企業には中々優秀な人が来てくれません。

「それでも何人か面接してやっと採用したのに、すぐに辞めてしまう。」

「一生懸命教えているのに成果が出ない。」

多くの経営者の方が抱えている悩みです。

良い方法はないものでしょうか?

仕事をする上での能力

経営者の話をよく聞くと従業員に時間をかけて指導し、教育していることがその人に合っていないのではと思うことがあります。

仕事する上での能力を大きく分けると、

①才能

②技能

③知識

の3つとなります。

ここで言う①の「才能」とは、何もウサインボルトの様に速く走れるというような突出した能力のことではありません。その人の考え方や行動や感情の習慣的なパターンのことです。

ですから、誰でも何かしらの才能を持っているということになります。

人間の脳は、産まれてから脳細胞と脳細胞をつなぐシナプスをどんどん増やしていきます。その脳細胞のつながりがピークになるのが3歳だそうです。

そのままでは情報の行き来が多すぎるために、15歳ぐらいまでかけて脳細胞のつながりを整理していくのだそうです。

交通量の多い道路のように、よく情報が行き来するつながりはどんどん広がり、4車線や6車線道路に、反対に情報が行き来しないところは、交通量がほとんどない道路のように、荒れ果て草が生えて道か何か分からなくなり、やがて道もなくなってしまいます。

このようにして、6車線のように太くなった脳細胞のつながりと、道が無くなってしまった脳細胞のつながりの違いによってその人の得意や不得意が決まっていきます。

その太くなった脳細胞のつながりがその人の才能です。

②の「技能」は仕事の技術的な部分のことです。エクセルを使えるとか看護師が注射をできるとかは技能です。

③の「知識」は知っていることです。勉強をして知っていることと実践と経験で知っていることに分かけられます。

 

この内②の技能と③の知識は教えることはできますが、①の才能は教えることができません。

ある仕事に関して、考え方や行動や感情の習慣的なパターンがない人(才能のない人)にそのことをいくら教えても成果は出ないのです。

「こちらは色々指導しているのに、全然成果が出ない。あいつはやる気がない。」

というような考えに陥りがちですが、そもそも初めからその仕事の才能がなかったのです。

その人の性格を変えようとしているようなもので、やるだけ無駄な努力だと言えます。

それよりもその人の才能は何かを見極めてその才能に合った仕事で能力を伸ばすようにした方が遥かに効率的です。

仕事に必要な才能をもっている人を採用することがもっとも大切なことです。

才能かそれとも技能や知識かは、それが教えられるものかどうかを考えてみれば判断できると思います。

才能を見分けるには?

 

では、どうすればこの才能を見分けれれるでしょうか?

 

これはもうその人と何度も何度も話をする他ありません。

「採用の時に面接を何回しましたか?」

と聞くとほとんどの方が

「1回です。」

と答えます。

1回の面接で、その人に才能があるのかないのかが分かるはずがありません。

 

採用の際の手間を惜しんだことで、無駄な研修に時間とお金をかけて、

結局ものにならなかったとしたら会社の損失はかなりのものです。

 

採用面接は、1回だけでなく数回行うようにして下さい。

 

次回は、才能のある人を見つけるためにどうするか?

というテーマでお送りします。

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