ski経営サポートオフィスの社労士コラム
【06:社員満足度を向上させたい】記事一覧
- 2014.01.18
- 育児休業給付の充実や教育訓練給付の拡充などの方針
- 2013.06.16
- 介護キャリア段位の導入支援策
- 2012.08.18
- 人事評価制度②
育児休業給付の充実や教育訓練給付の拡充などの方針
厚生労働省の労働政策審議会が、平成26年1月16日、雇用保険の育児休業給付の充実や教育訓練給付の拡充などを盛り込んだ改正雇用保険法の法律案要綱をおおむね妥当、平成26年度の雇用保険率を現行の1.0%に据え置くことを盛り込んだ告示案要綱を妥当と認め厚生労働大臣に答申しました。
法律案要綱および告示案要綱の概要は以下のとおりです。
法律案要綱の概要
1.育児休業給付の充実 【平成26年4月1日施行】
育児休業給付(休業開始前賃金の50%を支給)について、1歳未満の子を養育するために育児休業を取得する場合、休業開始後6か月について、休業開始前の賃金に対する給付割合を67%に引き上げる。
2.教育訓練給付金の拡充及び教育訓練支援給付金の創設 【平成26年10月1日施行】
( 1) 教育訓練給付(受講費用の2割を支給、給付上限10万円)を拡充し、中長期的なキャリア形成を支援するため、専門的・実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する講座を受ける場合に、
- 給付を受講費用の4割に引き上げる
- 資格取得などの上で就職に結びついた場合には、受講費用の2割を追加的に給付する
※1年間の給付額は48万円を上限とする
(給付期間は原則2年。資格につながる場合などは最大3年)
<対象者>2年以上の被保険者期間を有する者
(2回目以降に受ける場合は10年以上の被保険者期間が必要)
( 2) 教育訓練支援給付金を創設する。
45 歳未満の離職者が上記の教育訓練を受講する場合、訓練期間中は、 離職前の賃金に基づいて算出した額(基本手当の半額)を給付する。
(平成30年度までの暫定措置)
3.その他
( 1) 就業促進手当(再就職手当)の拡充 【平成26年4月1日施行】
早期再就職した雇用保険受給者が、離職前の賃金と比べて再就職後の賃金が低下した場合には、6か月間職場に定着することを条件に、現行の給付(早期再就職した場合に、基本手当の支給残日数の50%~60%相当額を一時金として支給)に加えて、低下した賃金の6か月分を一時金として追加的に給付する。(基本手当の支給残日数の40%を上限)
( 2) 平成25年度末までの暫定措置の延長 【3年間の延長】
ア 解雇、雇止めなどによる離職者の所定給付日数を60日間延長する個別延長給付について、要件を厳格化して延長する。
イ 雇止めなどの離職者(特定理由離職者)について、解雇などによる離職者と同じ給付日数の基本手当を支給する暫定措置を延長する。
告示案要綱の概要
平成25年度に引き続き、平成26年度の雇用保険率を一般の事業で1.35%、農林水産・清酒製造の事業で1.55%、建設の事業で1.65%とする。
介護キャリア段位の導入支援策
キャリア段位制度とは?
「キャリア段位制度」とは、成長分野における新しい職業能力を評価する仕組みで、企業や事務所ごとにバラバラでない共通のものさしをつくり、これに基づいて人材育成を目指すものです。ポイントは以下の3点です。
- 職業能力を評価する共通のものさしをつくり人材育成を目指す。
- エントリーレベルからトップ・プロレベルまで7段階のレベルを設定
- 「わかる(知識)」と「できる(実践的スキル)」の両方を評価
事業所のメリット
- サービス水準をアピールできます。キャリア段位を取得した職員が多ければ、質の高いサービスを提供していることをアピールできます。
- 職員のやりがい等を引き出し、定着率の向上につながります。職員のやりがいやスキルアップのモチベーションにつながり、定着率を高めることができるようになります。
介護キャリア段位の導入支援策
介護事業所で介護キャリア段位制度に基づく評価を実施した場合、以下の施策が活用できます。
①介護報酬のキャリアパス要件の該当
介護事業所・施設において、資質向上のための計画に沿って、OJTの一環として介護キャ リア段位制度を導入し、全ての介護職員に周知した場合、介護報酬の介護職員処遇改善加算 におけるキャリアパス要件を満たすことになります。
②評価・処遇制度(キャリアパス)の導入に対する助成 【中小企業労働環境向上助成金】
介護事業者が、介護キャリア段位制度を活用した評価・処遇制度(キャリアパス) を導入し、適切に実施した場合に、40万円が支給されます。
③申請手数料の負担に対する助成 【キャリア形成促進助成金】
介護職員の申出に基づき、介護事業者がキャリア段位レベル認定の申請手数料(1人当たり6,900円)を 負担する場合、負担額の2分の1が助成されます。
④ジョブ・カードへの反映
キャリア段位制度に基づく評価結果を、ジョブ・カードの評価シートに反映できます。 これにより、介護キャリア段位制度の実施を通じて、ジョブ・カードを活用した職業訓練を実施できます。また、介護職員も、ジョブ・カードを採用面接に活用できます。
⑤職業訓練の実施に対する助成 【日本再生人材育成支援事業】
有期契約労働者等に対して、介護キャリア段位制度を活用した有期実習型訓練を実施する介護事業者に対して、一定の支給要件を満たせば、下表の助成が行われ、 処遇の改善などキャリアアップを促進します。
Off-JT(座学) |
OJT (キャリア段位) |
|
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賃金助成 | 経費助成 | |
介護職員1人 1時間当たり 800円 〔500円〕 | 介護職員 1人当たり 30万円を上限 〔20万円〕 | 介護職員1人 1時間当たり 700円 〔700円〕 |
注:〔 〕内は、大規模な介護事業者の場合
介護キャリア段位の導入に関しての詳しい内容については、ski経営サポートオフィスまでお問い合わせ下さい。
お問い合わせ先:0120-921-671
人事評価制度②
人事評価制度の運用
人事評価制度は、何を評価するのかという項目と、どうなれば求められている評価を受けられるかという基準と、こういう結果になったと本人にフィードバックする仕組みが重要になります。
- 上司は、会社の目標や部門目標を明確にした上で、部下に対して今期の役割や重点的に取り組んで欲しいテーマなの要望を伝え、評価シートを渡す。
- 部下は上記1.(上司から示された役割や要望)を踏まえた上で、評価シートの役割明細と自己目標の欄を記入し、上司に提出する。
- 上司は、提出された評価シートをもとに、目標面接を行い、部下との話し合いの上、今期の「役割」「自己目標」を確定する。
- この時、部下の提出した評価シートの内容が、上司の意図したものと異なっていた場合は、目標面接でよく話し合って妥当なものに修正する。「役割」は上司の要望が優先す るようにし、「自己目標」は本人の自主性を重んじて設定する。
- 評価期間中、必要に応じて支援・アドバイスのための中間面接を行う。
- 評価期間終了時に、本人評価および1次評価をそれぞれが行う。
- 本人評価および1次評価の結果をもとに、フィードバック面接を行う。
評価者訓練
管理職等の評価を行う者に対して、人事評価の目的と重要性、評価の方法、統一した基準の認識、評価のエラーと防止策、日頃の記録と指導方法、フィードバックの仕方などを教育しておかなければなりません。
この評価者訓練をおろそかにすると、上司が違えば同じ仕事をしても評価が違うといった不公平を生み、人事評価制度が上手く機能しなくなります。
ハロー 効果 |
1つの特徴が際立って良い時には、他の項目も高く評価してしまうこと。 |
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寛大化 効果 |
評価される者への配慮で甘い評価をしてしまうこと。 |
厳格化 傾向 |
他人には厳しい、または管理職としての役割から、必要以上に厳しい評価をしてしまうこと。 |
中心化 傾向 |
当たり障りのない評価を行うことで中心値に集まり、高い評価、低い評価を敬遠すること。 |
親近効果 | 趣味や価値観などが同じ者の評価を甘くしてしまい、そうでない者を低く評価すること。 |
近似点 効果 |
評価対象期間はなく、最近のことだけを評価すること。 |
帰属要因 | 優れた成果を上げても、本人の努力以外の景気動向や上司の支援など外部要因が大きかったとして過小評価すること。 |
先入観 効果 |
先入観を持って評価しがちな傾向で、女性は男性より劣るなど決めつけて評価すること。 |
対比誤差 | 上司が自分と比べて部下を評価すること |
第一印象効果 | ハロー効果に似たエラーで、不正確な第一印象に引きずられて評価してしまうこと。 |
- 評価の結果は必ず本人にフィードバックさせます。教育制度と評価制度を連動することで評価のたびに何が不足しているのか、何ができないのかを本人に自覚させその部分へ教育を行って行くようにします。
- 期待するレベルと評価結果により、知識・技術などで不足する部分が明らかになり、教育ニーズも明確になります。