ski経営サポートオフィスの社労士コラム

【06:社員満足度を向上させたい】記事一覧

人事評価制度①

2012.08.16

人事評価項目

人事評価制度は、社員のやる気を引き出し、会社の業績を上げるために行うためもので、単純に給与やボーナスの査定をするためのものではありません。

人事評価の目的は

1.社員間の不公平・不均衡をなくし公正に評価する。

2.社員の質が高くなる

3.会社の業績が上がる

4.社員の待遇が良くなる

5.社員がやる気をもって働く

6.さらに社員が成長する

人事評価制度で業績を上げるには、どのような働き方をすれば成果が上がり待遇が良くなるかを公開し、社員にそのように働いてもらい、会社の業績を上げることが目的です。

人事評価制度の手順

いつでもそうなのですが、対策を考える上で重要なことに「5W1H」があります。

「いつ」、「どこで」、「だれが」、「なぜ」、「何を」、「どのように」ですね。

これに沿って少し中身を見ていきます。

1.いつ評価するのか

評価期間

①過去の実績にとらわれることなく、評価期間内のみの職務行動の状況や結果に基づいて行う。

②年2回定期的に行い、処遇に反映させる場合は、各評価項目の重要度を考慮して、賞与や昇格・昇進、昇給に対応させる。

2.どこで評価するのか

評価場所

①人事評価は管理監督者の重要な役割なので、業務上の一環として行う。

3.誰が評価するのか

評価者

①人事評価は公平を帰すため、被評価者の直属上司とその上の上司の2名で行う。

②被評価者、本人も自ら評価するようにする。

4.何を評価するのか

評価項目

①期待通りの成果を出して欲しい。 ⇒ 期待成果

②期待成果を上げるための行動をして欲しい ⇒ 期待行動

③期待行動を行うための知識・技術を有しているか。又はそれを使っているか。 ⇒ 知識・技術

④組織人としてふさわしい勤務態度か。 ⇒ 勤務態度

  • 評価項目は、業務の内容や職責に応じて、階層別、職種別に設定する。
  • 結果だけでなく成果を上げるための行動などのプロセスも評価する。

5.なぜ評価するのか

評価目的

①評価の結果を人材の活用や育成に活かす。

②評価を納得のあるものにし、信頼感のある風通しの良い職場を作る。

③能力や成果に基づいた公正な評価と処遇により、業績の向上、生活の向上、能力の向上、働き甲斐の向上を目指す。

6.どのように評価するのか

評価の方法

①従業員同士を比較する相対評価ではなく、基準と比較する絶対評価で行う。

②絶対評価を行う基準を明確にする。

③評価基準を記載した評価シートにより公正に行う。

④評価の結果は本人にフィードバックさせる。

⑤具体的な評価の仕方についても基準を設ける。

以上に注意して評価項目や評価基準を決めていきます。

次回は、人事評価の運用の流れについてみていきます。

職務分析と職務評価とは

2012.08.13

職務分析と職務評価

人事政策の基本としてまず初めに行うことが、職務分析と職務評価です。

職務分析とは、職務に関する情報を整理・収集し、職務の内容を明確にするプロセスです。

一方、職務評価とは、社内の職務同士を比較し、両者が同じか、異なるのか、異なる場合はどこが異なるのか、職務分析の結果に基づき、職務の大きさを他の職務と相対評価することです。 導入の手順 職務分析・職務評価の導入は、まずは職務分析から始めます。

職務分析

  1. STEP① 情報収集 分析の対象となる職務を決め、担当者や直属上司に「日々の業務内容」「業務目的」「必要な技能知識」「意思決定の権限の有無」などをヒアリングします。
  2.  STEP② 収集した情報の整理・統合 次に、収集した情報を①「業務内容」と②「責任の程度」などの要素ごとに整理します。職務分析を実施すると、上位の等級の者が下位の等級の仕事ばかりをやっている等、仕事と賃金がいかに結びついていないかがはっきり分かります。  

① 業務の内容

  • 主な業務
  • 取り扱う対象・範囲
  • 必要な知識や技術の水準

② 責任の程度

  • 権限 -部下の有無、権限の範囲
  • 役割の範囲
  • トラブル発生時や緊急時の対応
  • 成果への期待の程度

 仕事調べシート

氏名:      部署:      職種:     勤続年数  年
仕事の内容 所要時間

難易度(1,2,3,4,5)

権限の有無
毎日やるべきこと
週1回などにやるべきこと
月1回・年1回などにやるべきこと

職務評価(単純比較法)

職務評価では、職務分析結果をもとに、ある職務を他の職務と比較して相対評価をしていきます。この場合、相対評価が必要な二者間において比較することが重要です。比較は、業務の内容について比較することと、責任の程度について比較することが必要です。比較する方法としては、以下が考えられます。

  • 同じ部門で雇用区分が違う者の職務を比較する 例)製造部門正社員/製造部門パート社員 
  • 違う部門で同じ雇用区分の者の職務を比較する 例)営業職正社員/事務職正社員 

職務比較表の完成

組織における個々の仕事を客観的に分析し、定義づけをすることで、従業員間の待遇不均衡が明らかになります。また、従業員のキャリアアップへの道筋を新たに作ることもできます。

職務評価の方法は、単純比較法の他にも「分類法」、「要素比較法」などがあります。

評価制度の導入に関する助成金等も活用しながら、積極的に取り組まれてはいかがでしょうか。

労働分配率とは

2012.08.11

付加価値

付加価値とは、会社が活動することで新たに生み出す価値のことをいいます。実際の計算は複雑ですが、製造業や建築業は売上から原材料や部品の購入費と外注費を差し引いた額、小売りや卸売業は粗利益額と考えればいいと思います。

  1. 製造業・建築業の場合
  2. 売上-(原材料+部品購入費+外注費)
  3. 小売・卸売業の場合
  4. 売上-原価

労働分配率

会社は、この付加価値から人件費などの経費を支払い最終的な利益を得ています。付加価値をどのくらい従業員の人件費として支払ったかを表す比率を労働分配率といいます。

労働分配率=人件費÷付加価値

この労働分配率が、通常は、労働分配率が50%を超えるか下回っているかで人件費が高いか安いか判断しますが、35%程度であることが社員の生産性の高い会社の条件といわれています。よく給料の3倍稼げといわれるのはこのためです。

実際は、財務省の統計によると、ここ数年の全産業の労働分配率の平均は65%前後で推移しているようです。尚、労働分配率は、会社の規模が小さくなるほど高くなっています。

業種別の労働分配率の例をあげておきます。

業 種 労働分配率
食堂・レストラン 55.6%
ラーメン店 52.2%
旅館・ホテル 39.8%
美容室・理容室 59.4%
情報処理サービス 69.6%
訪問介護 71.6%
人材派遣業 82.5%
病院 63.7%
コンビニ 40.2%
アパレル 44.3%

労働分配率が低い方が会社としてはありがたい訳ですが、付加価値が低く、労働分配率が低いとなると社員の賃金も低く会社に対して不満を持ちます。逆に労働分配率が高いと資金繰りが苦しくなります。 まとめますと 業界の平均と比較して

  1. 労働分配率が低く高賃金: 支払い能力に余裕があり、1人当たりの付加価値が高く安定 
  2. 労働分配率が低く低賃金: 支払い能力が高くいが、低賃金の社員が多く不安定
  3. 労働分配率が高く高賃金: 支払い能力が弱く、高い賃金の支払いに無理がある 
  4. 労働分配率が高く低賃金: 支払い能力が苦しく、離職者が出やすい危険な状態 

労働分配率が高いと、売上が下がり付加価値が減少したら、人件費のカットに手を付けなければならなくなります。みんなで協力して付加価値を上げ、利益を稼ぐことが先決だと従業員に理解してもらう事が先決です。

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